◎現地メディアによると、被害の全容は明らかになっておらず、犠牲者の数は増える可能性が高いという。
米南部フロリダ州にカテゴリー4のハリケーン・へリーンが上陸、これまでに44人の死亡が確認された。現地メディアが27日に報じた。
ジョージア州政府は救急隊員を含む15人が死亡したと発表した。
フロリダ州では民家が全壊するなどして、少なくとも9人が死亡。捜索・救助作業が続いている。
へリーンは上陸後、勢力を弱めて熱帯低気圧になったが、現在も広い範囲に強風をもたらしている。
<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:風速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:風速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:風速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:風速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:風速 70~(m/s)
フロリダ州知事によると、北部のディキシー郡で倒木により1人が死亡、タンパ近郊の州間高速道路4号線で標識が倒れ1人が死亡したという。
同州ピネラス郡では5人の死亡が確認された。
ノースカロライナ州では倒木で1人、車両事故で1人が死亡した。
サウスカロライナ州では消防士2人を含む17人が死亡。その多くが建物の倒壊に巻き込まれた。
現地メディアによると、南部地域では27日午後の時点で400万世帯以上が停電している。
サウスカロライナ州では120万世帯以上、ノースカロライナ州では90万世帯近く、ジョージア州では90万世帯、フロリダ州では70万世帯で停電が発生。各地の電力会社が復旧作業に当たっている。
フロリダ州では50以上の医療施設が自家発電に切り替え、負傷者を受け入れているという。
壊滅的な被害を受けたフロリダ州の住民は自宅の残骸を集め、途方に暮れている。
バイデン(Joe Biden)大統領は上陸に先立ち、フロリダ州などに非常事態宣言を発令。関係省庁に支援を急ぐよう命じた。
フロリダ州キートンビーチの住宅地は大きな被害を受け、複数のボートが冠水した道路に投げ出された。
キートンビーチの住民はABCニュースの取材に対し、「自宅が木っ端みじんになり、どうしたらよいか分からない」と語った。
キートンビーチの南方に位置するシダーキーには2~3メートルの高潮が押し寄せ、海岸線を引き裂いた。
州都タラハシーの南東に位置する町では送電線を引き込む変電所が大きな被害を受けた。
現地メディアによると、被害の全容は明らかになっておらず、犠牲者の数は増える可能性が高いという。