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メキシコ豪雨、死者66人、行方不明者75人、被害全容いまだ不明、発生から1週間

被害の全容は明らかになっていない。CENAPREDは少なくとも10万棟の家屋が被害を受けたと推定している。
2025年10月12日/メキシコ、中部ベラクルス州ポサリカの通り(AP通信)

メキシコ中部と南東部で発生した大雨による洪水・土砂崩れについて、地元当局は16日、これまでに66人の死亡を確認し、行方不明になっている75人の捜索を続けていると明らかにした。

シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は被災地に数千人の軍兵士を投入し、土砂の撤去や行方不明者の捜索に当たっている。

国家防災庁(CENAPRED)によると、中部ベラクルス州とイダルゴ州の被害が特に深刻。ベラクルス州では29人、イダルゴ州ではこれまでに21人の死亡が確認されている。

イダルゴ州では150の自治体で停電が発生。隣のプエブラ州では少なくとも13人が死亡し、1万6000棟以上の家屋が損壊した。一部地域では停電が続いている。

ベラクルス州では10月6~9日にかけて、広い範囲で雨量が500ミリを超えた。

ケレタロ州では子供1人が土砂崩れに巻き込まれて死亡した。

被害の全容は明らかになっていない。CENAPREDは少なくとも10万棟の家屋が被害を受けたと推定している。

CENAPREDによると、約200の町や集落が孤立したままで、その大半は中部山岳地帯のイダルゴ州にある。同州の山岳地帯では先週から天候がほとんど回復せず、ヘリコプターによる救援活動も思うように進んでいない。

当局は2つの熱帯低気圧と寒冷前線・温暖前線が重なり、記録的な大雨になったと分析。複数の河川が飽和状態となり、山間部の斜面も数日間続いた雨で緩み、土砂崩れが多発した。

被災地の住民は気象台と自治体の警報・警告が遅れたと非難している。

ベラクルス州のある住民はAP通信の取材に対し、「近くの川が溢れて水が家に流れ込んできた時点で何の警告もなく、自主的に避難して何とか難を逃れた」と語った。

シェインバウム氏は16日の定例会見で気象台の警報システムに言及。「ゲリラ豪雨の予測は非常に難しい」としたうえで、行方不明者の捜索や復旧作業と並行して、気象システムの改善などについても協議する必要があると強調した。

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