◎チャドの雨季は7月から10月初め頃まで続く。
アフリカ西部・チャドの全23州で大雨による洪水や浸水被害が相次ぎ、過去数カ月で550人以上が死亡、21万棟の民家が全壊した。現地メディアが11日に報じた。
それによると、全国の負傷者は数千人に達し、約7万2000頭の家畜が死んだという。
チャドの雨季は7月から10月初め頃まで続く。
政府によると、少なくとも43万2000ヘクタールの農地が冠水し、農作物に深刻な被害が出ているという。
被害の全容は明らかになっておらず、政府、自治体、国連、その他NGOが調査している。
全国の被災者は約190万人、うち8万5000人が妊婦と推定されている。
国連人口基金(UNFPA)によると、マラリア、デング熱、呼吸器感染症、皮膚感染症などが広い範囲で確認されている。
被災者は現在、国連の難民キャンプ、仮設テント、学校などに避難し、適切な医療を受けられない状態となっている。
UNFPAは現地で政府を支援し、被災者に医療、食事、衛生用品などを提供している。
UNFPAによると、避難所にプライバシーはほとんどなく、慣れない環境で食料や薪を探しに外に出るため、女性や女児が犯罪に巻き込まれるリスクが高まっているという。
アフリカ西部と中央部では今年、広い範囲で大雨による洪水が発生し、数千人が死亡、200万人近くが住居を失ったと推定されている。