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南アフリカ北部で大雨による洪水、19人死亡、クルーガー国立公園も冠水

過去数日間の洪水による死者は少なくとも19人に達し、被災地域の州政府や気象当局が警戒を強めている。
南アフリカのクルーガー国立公園(Getty Images)

南アフリカ北部で大雨による洪水が発生し、同国最大級の観光地であるクルーガー国立公園で宿泊客や職員の避難が進められるなど深刻な影響が出ている。当局によると、過去数日間の洪水による死者は少なくとも19人に達し、被災地域の州政府や気象当局が警戒を強めている。

洪水の中心となっているのは北東部のムプマランガ州とリンポポ州で、いずれも主要河川が氾濫し市民生活やインフラに深刻な被害が出ている。水位上昇により道路や橋が寸断されるなど交通網も混乱し、現地当局が救助活動を続けている。リンポポ州では屋根に取り残された住民を軍のヘリコプターで救出するなど緊急対応が行われた。

クルーガー国立公園では、広大な敷地内で複数の河川が増水したことから、公園当局が安全確保を最優先に判断し、一部の宿泊客と職員をヘリコプターで避難させた。低地に位置するいくつかのキャンプサイトや休憩地では冠水が進み、橋や主要ゲートが水没するなどして公園へのアクセスが困難になっている。これを受け、公園は複数の出入口を一時閉鎖し、当面の日帰り訪問者の受け入れを停止する措置を取っている。

公園の広報担当は、野生動物自体は通常、洪水時には高台へ移動するなどの適応力を持つと述べつつも、人間の安全を確保するための予防措置が必要だと強調した。一部の宿泊客は安全な施設へ移動し、当局は雨がいつ止むか予測できない状況の中、状況を注視しているという。

気象台は15日、洪水のリスクがさらに高まるとして、対象地域に警報を発令し、今後24〜48時間で追加の激しい降雨が予想されると発表した。予想雨量は多いところで200ミリに達する見込み、さらなる氾濫や土砂崩れによる被害拡大が懸念されている。これにより住民の避難やインフラ被害が拡大する恐れがあるとして、警戒を呼びかけている。

被災地では地元政府の要請により、軍や民間の救助隊が合同で救援活動を展開している。負傷者や体調不良者は近隣の病院に搬送され、高齢者や子どもを含む多くの住民が安全な避難所へ移動している。また、大雨による農地や住宅への浸水被害も広がっており、地域の経済活動への影響も深刻化している。

ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は被災地を訪問し、支援と復旧を急ぐと強調した。政府は緊急支援物資の配布や被災者支援策を打ち出しており、洪水の収束後には本格的な復旧作業が必要だとしている。今回の洪水は例年以上の豪雨によるもので、気象当局や専門家は気候変動の影響も無視できないと指摘している。

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