東南アジア大水害、死者1400人超える、インドネシアとスリランカで救助活動続く
インドネシアで少なくとも780人、スリランカで465人、タイで185人、さらにマレーシアで3人の死亡が確認されている。
-1.jpg)
11月下旬以降、豪雨によりインドネシア、スリランカ、タイの広範囲で洪水と土砂崩れが発生。多くの村が濁流と土砂に飲み込まれ、電力や通信が寸断され、多くの住民が孤立した。
この自然災害による死亡者数は、3か国と近隣国を含めて合計で1400人を超えたと伝えられており、国・地域別ではインドネシアで少なくとも780人、スリランカで465人、タイで185人、さらにマレーシアで3人の死亡が確認されている。
また、多数の住民が行方不明で、遺体が埋もれたままになっている地域もある。多くの集落が泥やがれきの下に埋まり、救助・捜索は難航している。
特に被害が甚大だったのはインドネシア・スマトラ島北部・西部およびアチェ州など。被害を受けた地域では橋や道路が崩壊し、陸上からのアクセスが断たれた地区も多く、救助隊は陸・海・空の手段を使って救援にあたっている。
洪水の被害を拡大させた要因として、違法伐採による森林の劣化が指摘されており、切断された丸太が洪水により運ばれてきたという住民や救助隊の証言も報告されている。これを受けて、インドネシア政府は伐採状況の調査を開始した。
タイでは洪水の被害を受けた地域で水道・電気などのライフラインの復旧がほぼ終わりつつある。水や電気の供給が再開され、多くの地域で復旧に向けた取り組みが進んでいるという。さらに12万世帯以上に見舞金が支給された。
スリランカでは他国と比べて救援・復旧の体制が特に逼迫している。経済危機の影響もあり、資金や物資、人手ともに不足しており、救助活動や復興支援に苦慮しているとの報告がある。政府は国際社会に支援を要請しており、他国の支援を受けながら救援を進める方針だ。
今回の洪水・土砂災害は、単に異常気象だけによるものではなく、森林破壊や違法伐採などによる土壌の劣化、森林の保水能力の低下が被害を拡大させた可能性がある。特にインドネシアでは、丸太がきちんと切りそろえられた状態で洪水にのって流れてきたという証言があり、人為的な破壊が被害に拍車をかけたとの見方が強まっている。
さらに、通信や電力の喪失、住居や公共インフラの壊滅的被害は、復興だけでなく住民の生活再建、地域社会の安定、そして教育や医療など社会サービスの復旧にも長期的な負荷を与える。特に孤立地域では支援の届きにくさや情報の途絶、医療・衛生の不足などが懸念される。
