◎台風20号は24日にフィリピン北部を横断、南シナ海を進み、27日午前の時点でベトナムに達した。今後、偏西風の影響で進路を東南東に変え、再びフィリピンに接近する可能性がある。
2024年10月25日/フィリピン、首都マニア郊外、冠水した道路(AP通信)

台風20号の大雨と強風に見舞われたフィリピン北部の広い範囲で土砂崩れと洪水により少なくとも126人が死亡、130人近くが行方不明になっている。大統領府が26日、明らかにした。

マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領は26日、首都マニラ郊外の被災地を視察し、「まだ多くの地域が孤立したままであり、救助を必要としている人が大勢いる」と述べ、国を挙げて救助・捜索・復旧活動に当たると約束した。

台風20号は24日にフィリピン北部を横断、南シナ海を進み、27日午前の時点でベトナムに達した。今後、偏西風の影響で進路を東南東に変え、再びフィリピンに接近する可能性がある。

フィリピンのメディアによると、20号は広い範囲に大雨をもたらし、近年で最も深刻な被害をもたらした台風になる見通し。死者数はさらに増えると予想されている。

首都マニラ南方・バタンガス州の大規模な地滑りが発生した現場では100人以上の救助隊が重機、ドローン、災害救助犬などを使って行方不明者を捜索している。

マルコス・ジュニア氏はマニラ郊外の被災地を視察後、記者団に対し、「台風はこの地域に記録的な大雨をもたらし、わずか24時間で平年1〜2ヶ月分の降水量に達した地域もあった」と語った。

またマルコス・ジュニア氏は今回の大雨を「100年に1度の天災」と呼び、国を挙げて必要な支援を被災地に届けると述べた。

政府の非常災害対策本部によると、500万人以上が大雨の影響を受け、そのうち50万人近くが複数の州の6300以上の避難所に身を寄せているという。

マルコス・ジュニア氏は26日の閣議で、20号がベトナムから再びフィリピン周辺に戻ってくる可能性があるとして、関係閣僚に被災地向けの補正予算を含む必要な準備を進めるよう命じた。

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