◎大雨により状況が悪化する中、被災地では政府への不満が高まっている。
アフリカ東部・南スーダンのジョングレイ州で大雨による被害が拡大し、4つの地域で375万世帯が避難を余儀なくされている。国連が14日、明らかにした。
それによると、数十人が死亡したという情報があるものの、正確な死傷者数は明らかになっておらず、調査が行われる目途も立っていないという。
国連南スーダン派遣団(UNMISS)は声明で、「4つの地域で少なくとも375万世帯が避難を余儀なくされ、その多くが住居を失ったと推定される」と述べた。
またUNMISSは水源に泥水が流れ込み、マラリア、デング熱、肺炎、コロナウイルスなどの感染症の蔓延につながっていると警告した。
さらに、郊外の集落にアクセスすることは困難で、餓死者が出ているという情報もあるとして、国際社会に支援を呼びかけた。
南スーダンは2011年に独立。2年後の2013年、キール(Salva Kiir)大統領に忠実な組織がマシャール(Riek Machar)副大統領の支持勢力に攻撃を仕掛け、内戦が勃発。18年の和平合意で終結した。その犠牲者は40万人以上と推定されている。
政府は先月、今年12月に予定していた同国初の国政選挙を2年延期すると発表した。
大雨により状況が悪化する中、被災地では政府への不満が高まっている。被災地の自治体は政府や国連に緊急の人道支援を求めている。