◎13人はヨットから松林に向けて花火を打ち込んだ。
2024年6月21日/ギリシャ、イドラ島で発生した山火事(Getty Images)

ギリシャの捜査当局は22日、南部のペロポネソス半島東岸に位置するイドラ島で発生した山火事について、放火の疑いで13人を逮捕したと明らかにした。

この山火事は21日に松林付近で発生。消防当局は声明で、「島の防風林である松林の大部分が焼失した」と明らかにした。

被害の全容は明らかになっておらず、焼失面積も不明。自治体と消防が調査している。

地元メディアによると、この山火事は概ね鎮火したという。松林には道路でアクセスできないため、ヘリコプターと飛行機が投入された。

捜査当局によると、逮捕された13人は全員ギリシャ国籍。23日に送検される見通し。

地元テレビ局は警察筋の話しとして、「13人はヨットから松林に向けて花火を打ち込んだ」と伝えている。

消防は出火原因を調査中としている。

ギリシャは現在、猛烈な熱波と乾燥に見舞われ、各地で山火事が相次いでいる。この放火事件は国民の怒りを買った。

イドラ島の市長は国営放送ERTの取材に対し、「松林に無責任に花火を打ち込む輩がいることに憤りを覚える」と語った。

ソーシャルメディア上でも非難の声が上がっている。「ヨットから花火を打ち込む放火魔はどこのどいつだ」

消防当局は18日から警戒態勢を強化し、新たな山火事に備えている。気象台によると、各地の高温、乾燥、強風はしばらく続く見通し。

21日にはペロポネソス半島南部で消火に当たっていた55歳の消防士が死亡した。

ギリシャの山火事シーズンは始まったばかりだ。今年も厳しい夏になると予想されている。

地元メディアによると、出火原因の多くが落雷や極度の乾燥による自然発火である一方、ここ数年は放火が増加傾向にある。昨年8月には79人が逮捕された。

中央政府は今年初めに刑法を改正。放火は死傷者が出たか否かに関わらず、禁固20年以下と20万ユーロ以下の罰金に処されることになった。死傷者が出た場合の最高刑は終身刑である。

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