◎パキスタンやインドの都市部は毎年この時期、灰色のスモッグに覆われる。
パキスタン第2の都市ラホールが有毒な灰色のスモッグに覆われ、数万人が体調を崩したとみられる。現地メディアが9日に報じた。
当局は市内の学校、市場、公園を4日間閉鎖すると発表。市民に外出と車での移動を控えるよう要請した。
パキスタンやインドの都市部は毎年この時期、灰色のスモッグに覆われる。
この汚染は車の排ガス、工場や石炭火力発電所の煙、近隣州の芝焼き、焼き畑などで発生したスモッグが主な原因とされる。
ラホールは世界で最も汚染された都市のひとつであり、微小粒子状物質(PM2.5)濃度は危険水域に達し、マスクを付けずに外を歩くと喉が痛くなる。
当局はこの汚染で数万人が体調を崩したと推定。市民に屋内でもマスクを着用するよう推奨している。
ラホール市民はソーシャルメディアに「目が痛くて外出できない」「呼吸が苦しくなる」「煙の中で生活しているよう」などと投稿している。
地元テレビ局の取材に応じた中央病院の医師は「呼吸器関連の病気、目の感染症、皮膚病を避けるために、不要不急の外出を控えてほしい」と呼びかけた。
ラホールの9日のPM2.5濃度は危険水域とされる450に近づいた。
地元メディアによると、市郊外では多くの農家が冬小麦の植え付け準備として焼き畑を行っているという。
ラホールの人口は1000万人超。南部カラチに次ぐ大都市であり、ここ10数年の都市開発により、市内に緑はほとんど残っていない。