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マダガスカル東部にサイクロン・ゲザニ上陸、31人死亡、被害拡大

ゲザニは10日に上陸し、広い範囲に強風と大雨をもたらした。
2026年2月11日/マダガスカル東部のコミュニティ(AP通信)

アフリカ南東部沖の島国マダガスカル東部にサイクロン「ゲザニ(Gezani)」上陸し、港湾都市を中心に被害が確認され、少なくとも31人が死亡した。当局が11日、明らかにした。軍事政権は声明で、住宅の倒壊などで多数の死者が出ていると発表。被災地では家屋の倒壊や浸水が相次ぎ、当局による捜索・救助活動が続いている。

ゲザニは10日に上陸し、広い範囲に強風と大雨をもたらした。気象当局は複数の地域に対し、洪水や地すべりの危険性が高まっているとして警報を発令し、市民に最大限の警戒を呼び掛けていた。ゲザニは内陸へ進むと勢力を弱め、熱帯低気圧に変わったが、各地に強い雨をもたらしている。

東部沿岸に位置する第2の都市トアマシナの被害が特に深刻で、多くの住宅が倒壊、停電も報告されている。地元メディアによると、倒壊した住宅や倒れた電柱、破損した建物が街中に散乱し、道路は瓦礫で埋まった。住民は「屋根が吹き飛び、壁が崩れ、電柱が吹っ飛び、木々が根こそぎ倒された」と語り、被災の深刻さを証言した。電力供給はゲザニ通過後に途絶し、市内の多くの地域で停電が続いている。

軍当局の発表では、死者数31人のほとんどがトアマシナ地域で確認されているほか、36人余りが重傷を負い、4人が行方不明とされ、約6000人が避難を余儀なくされた。家屋の倒壊や浸水により、避難所や支援物資の確保が急がれている。国連はマダガスカルへの支援として緊急対応基金から300万ドルの供与を決定し、被災者支援を進める方針を示した。

マダガスカルでは2週間前にも別のサイクロンが上陸し、14人が死亡、8万5000人以上が避難したばかりであった。同国は貧困率が高く、多くの住民が強固な住居を持たないため、サイクロンによる被害・影響を受けやすい構造になっている。国連によると、同国では毎年11月から3月にかけて複数の熱帯低気圧やサイクロンが発生し、年間数億ドル規模のインフラ損失をもたらしている。

軍政は非常事態を宣言し、救助・復旧活動を急いでいるが、交通網の寸断や通信遮断により被害状況の全容把握が難航している。ゲザニは今後、モザンビーク海峡に進み、再び勢力を強める可能性があると予報されており、沿岸部地域で警戒が呼びかけられている。マダガスカルは地理的条件と気候変動の影響からサイクロンの影響を受けやすく、復興と防災体制の強化が喫緊の課題となっている。

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