タイ南部豪雨、洪水による死者145人、360万人が被災
この洪水は12の県にまたがり発生。被害は広範で、約120万世帯、360万人が被災したと推定されている。
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記録的な豪雨に見舞われたタイ南部で、洪水や土砂崩れによる死者が145人に達した。当局が28日、明らかにした。
この洪水は12の県にまたがり発生。被害は広範で、約120万世帯、360万人が被災したと推定されている。
ソンクラー県の被害が特に深刻で、28日時点で少なくとも110人が死亡。ハートヤイを含む多くの地域が水没し、水が引き始めたことで救助隊がこれまで立ち入りできなかった地区に到達、行方不明だった住民の捜索が進み、犠牲者の確認が相次いだ。
洪水発生時には多くの家屋やインフラが水没し、低層住宅はもちろん、道路の冠水、車両の水没、倒木や電柱の倒壊などが相次ぎ、救援・復旧を困難にした。
水が引いた後も、泥や流された家財、破損した建物などにより、被災地域の惨状があらわになっている。
現在、被災地域では救助・捜索活動が加速。浸水が収まりつつあるエリアでは水位が下がり、これまで隔絶されていた住民の安否確認や遺体の収容が進んでいる。
避難所には多数の被災者が避難しており、一部ではまだ水が引かない地域もあるという。
気象当局は一部地域で今後も豪雨の可能性があると警戒を促している。
今回の洪水被害は単なる自然災害にとどまらず、復旧・救援インフラや行政対応の脆弱さ、地域社会の再建、被災者支援など多くの課題を浮き彫りにした。住宅の流失、ライフラインの寸断、医療・食料の供給、衛生・保健の問題など、被災者の日常回復には時間がかかる見通しだ。
中央政府および関係機関は被災地支援を最優先し、避難所運営、食料・医療支援、浄水や電力の復旧、インフラ再建に取り組むとともに、被災者支援とともに今後の豪雨対策の強化に向けた検討を進めている。
被災した人々の生活再建と地域の復興は長期戦になるとみられ、国際社会や人道支援団体の協力も含めた包括的な支援が必要とされる。
