インドネシア・スマトラ島豪雨、164人死亡、79人行方不明
最も深刻な被害を受けたのは北スマトラ州。アチェ州や西スマトラ州でも甚大な被害が確認されている。
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インドネシアのスマトラ島で発生した豪雨による洪水と土砂崩れについて、地元当局は28日、犠牲者数が164人に上り、さらに79人が行方不明になっていると明らかにした。
最も深刻な被害を受けたのは北スマトラ州。アチェ州や西スマトラ州でも甚大な被害が確認されている。
北スマトラでは116人、アチェで25人、西スマトラで23人の死亡が報告された。
今回の洪水と土砂崩れのきっかけは、モンスーン期の集中豪雨に加え、熱帯低気圧の影響による大雨と高波、強風だった。
これにより、北スマトラを流れる河川が決壊し、山岳地帯の村落に濁流が押し寄せた。当局によると、洪水で少なくとも3200棟以上の住宅・建物が浸水し、約3000世帯の住民が避難所に身を寄せている。
西スマトラでも広範囲に被害が広がり、1万7000棟を超える家屋が水没、約2万3000人が避難を余儀なくされたとの報告もある。
救助活動は被災地のインフラ損壊や濁流・泥流による土砂、停電、通信断などの影響を受け、大きく妨げられている。多くの道路や橋が流され、重機の搬入も困難で、被災地域の多くが孤立状態にあるという。
さらに、気象当局は低気圧の影響が数日間継続する可能性があるとして、さらなる豪雨や洪水・土砂災害への警戒を呼びかけている。
地形や森林の状況、季節的な降水パターンなどが重なり、スマトラなど島嶼部や山岳地帯では今後も同様の災害リスクが続くとみられている。
インドネシアは約1万7000の島からなる群島国家で、多くの住民が山地や洪水の影響を受けやすい平野に暮らし、モンスーンや熱帯低気圧による豪雨・土砂崩れの危険性に常に晒されてきた。
今回のような大規模災害は気候変動の影響や森林破壊、土地利用の変化などと相まって被害を拡大させているとの指摘もある。
現時点での犠牲者数は164人、行方不明79人、救助活動は困難を極めており、さらなる被害の可能性も否定できない。住民の避難・救援、インフラ再建、気候変動への備えなど、多方面で喫緊の支援が求められている。
