◎キューバでは現在、経済・エネルギー危機により計画停電が常態化。1日数時間は当たり前、長い時は8時間を超える。
2024年11月7日/キューバ西部、ハリケーン・ラファエル通過後、冠水した道路(AP通信)

キューバ西部にカテゴリー3のハリケーン・ラファエルが上陸、横断し、広い範囲で停電が発生した。現地メディアが7日に報じた。

ラファエルは7日午前の時点で首都ハバナの北西約320キロに位置し、時速15キロで西北西に進んでいる。

米国立ハリケーンセンター (NHC)によると、ラファエルはキューバを横断後、カテゴリー2に勢力を弱めたという。

<ハリケーンの勢力>
▽カテゴリー1:風速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:風速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:風速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:風速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:風速 70~(m/s)

西部と首都ハバナを含む広い範囲で停電が発生し、多くの建物が損壊、道路も冠水し、数万人が避難を余儀なくされた。

現地メディアによると、ハバナのスラム街から約5万人が高台に避難したという。ハバナから南部の都市に続く道路では何十本もの電柱が倒れていた。

キューバ東部では2週間前に上陸したハリケーン・オスカーの復旧作業が続いている。このハリケーンでは少なくとも6人が死亡、全土で停電が発生した。停電の復旧には4日を要した。

ハバナの中心街でも倒木が電柱を倒したり、電力設備が水没したという情報がある。ある地区では停電で食料が腐ることを心配した住民グループが非公式の炊き出しを開いた。

炊き出しに参加した女性はAP通信の取材に対し、「政府は何もしてくれないので、皆で助け合うしかない」と語った。

共産党の報道官は声明で、「島の西部地域では部分的に電力が復旧している」と述べたが、全面復旧にはかなりの時間がかかると警告した。

キューバでは現在、経済・エネルギー危機により計画停電が常態化。1日数時間は当たり前、長い時は8時間を超える。

さらに食料不足とインフレが危機に拍車をかけ、コロナ禍以来、数十万人が国外に逃亡。その大半が米国を目指している。

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