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米国全土で記録的な寒波続く、事故を防ぐために必要なこと

専門家は「氷がある場所には常にリスクがある」と指摘する。
2026年1月26日/米ペンシルベニア州ボストン(AP通信)

米国全土で記録的な寒波と積雪が続く中、雪や氷による事故が多発しているとして、医療関係者や当局が「常識と安全意識の徹底」が重要だと呼び掛けている。滑りやすい路面や薄い氷は予想以上に危険であり、日常の行動を見直すことが事故防止につながるという。こうした注意喚起は極寒の影響で道路や歩道、駐車場が危険な状態となっている米東部や中西部を中心に相次いでいる。

専門家は「氷がある場所には常にリスクがある」と指摘する。実際に転倒して搬送される患者は頭部外傷、手首や腕の骨折、股関節の負傷といった典型的なケガが多く、特に高齢者にとっては深刻な結果を招く恐れがあるという。

医療専門家は歩行時の対策として「ペンギン歩き」を推奨している。これは小刻みに重心を低く保ちながらゆっくりと歩く方法で、急いで歩くことで滑って転倒するリスクを減らす効果があるとされる。専門家は転倒時に反射的に手を付くと重傷につながりやすいため、手を自由にして顎を引き、前方に倒れるよう意識することで頭部や手首のケガを防ぐよう助言している。

靴やブーツは滑りにくい靴底のものを選び、手に荷物を持ち過ぎないことも安全対策として重要だと専門家は強調する。「急ぐときが一番ケガをしやすい。周囲の状況に注意を払い、時間に余裕をもつことが安全の基本だ」としている。

薄い氷上の活動にも注意が必要だ。ミシガン州オークランド郡の保安官事務所は湖の氷は見た目よりも安全性が低い場合が多く、場所によって強度が異なる可能性があると警告する。過去の極寒の間には複数の雪上オートバイや人が氷下に落ちる事故が発生しており、氷の厚さを測るなど慎重な判断が必要だとしている。救助用具や安全装備を携行し、万一氷に落ちた場合に脱出するためのアイスオール(氷抜け用の道具)などを用意することも勧められている。

自動車運転においては、凍結した路面ではスピードを落とし、急な操作を避けることが強く求められている。カンザスシティ消防局は積雪や氷による路面状況の悪化時には時間に余裕をもって出発し、急いで運転しないことが事故防止につながると訴える。また、雪に閉じ込められた際には車外に出ず、車内で暖を取りつつ排気管が塞がれていないか確認することが重要だ。

自動車協会(AAA)は車間距離を十分に保つこと、除雪車やメンテナンス車両から一定の距離を取ることが重要だと強調する。「雪道や凍結路ではテールゲーティング(前車への接近)は絶対に避けるべきだ」としている。

専門家はこれらの対策を「単なる常識」と表現しつつも、多くの事故が基本的な注意不足で発生していると指摘する。極寒や積雪が続く地域では、状況を過小評価せず、行動を慎重に見直すことが事故やけがの防止に直結するとの認識が広がっている。

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