◎カバはアフリカ原産である。
コロンビア当局は12日、悪名高い麻薬王、故パブロ・エスコバル(Pablo Escobar)が野に解き放ったカバが高速道路でSUVと衝突し、死んだと発表した。
エスコバルの私設動物園で飼われていたカバは近くの川に広がり、100頭以上に増えたと推定されている。コロンビアにカバの天敵はおらず、生態系を破壊し、市民生活にも影響を与えるという懸念が高まっている。
警察によると、SUVとカバの衝突事故は首都ボゴタ郊外の高速道路で11日深夜に発生したという。カバの体重は2トン近くあったものの、SUVの乗員にケガはなかった。
ボゴタの環境局は声明で、「カバは衝突の衝撃で数メートル吹き飛び、死んだ」と述べている。
地元メディアは関係者の話として、「2トン近くあるカバが首都近くの高速道路に侵入したことにショックを受けている」と報じた。「一歩間違えれば、死傷者が出てもおかしくありません...」
専門家によると、カバは警戒心が強く、自分の意思で人間に近づくことは少ないが、突然目の前に人間が現れると攻撃を仕掛ける可能性が高いという。
ある専門家はツイッターに「カバは予測不能。いつ人を襲うか分からないため、エスコバルの施設近くに不要に近づくべきではない」と投稿している。
エスコバルは1980年代に私設動物園にカバを持ち込んだ。
1993年にエスコバルが死去すると、動物園は観光名所のひとつとなり、多くの人が見学に訪れるようになった。
動物園近くの住民はカバが町内の川を自由に泳ぎ回ることに慣れている。
カバはアフリカ原産である。政府は昨年、カバを特定外来生物に指定した。
環境局によると、現在のカバの個体数は約130頭。8年後には400頭まで増加する可能性があるという。その大半が川で自由に生活している。
政府はカバを駆除するのではなく、少なくとも70頭をインドおよびメキシコの動物園に提供したいと提案している。