◎専門家によると、中国の今年の熱波は北アフリカや中東をしのぎ、世界最悪になる可能性が高いという。
中国の洞窟レストラン、室温は20度前後でかなり涼しい(Getty Images)

中国南西部と中部の住民は様々な方法で40度を超える歴史的な熱波に対処している。

南西部四川省や重慶市の住民は洞窟レストランを利用し、暑さをしのいでいるようだ。

専門家によると、中国の今年の熱波は北アフリカや中東をしのぎ、世界最悪になる可能性が高いという。

四川省では水力発電ダムや河川の水位が劇的に低下し、水不足と電力危機に見舞われている。

長江地域経済の中心地である重慶市は節電対策として街灯の照度を落とし、電車内は異様に薄暗くなり、不要な看板は消灯を命じられた。中国版ツイッターのWeiboには薄暗い街の写真や動画が複数共有されている。

四川省政府は市民と企業にエアコンの温度を26度以上に設定するよう命じた。重慶市当局は市内の工場に生産を制限するよう要請している。

重慶市のある企業はエアコンを28度に設定したうえで、室内に大きな氷を置き、何とか室温を下げようとした。

オフィスの外では洞窟レストランが繁盛している。

洞窟や地下は気温が低く、夏場によく利用される「洞窟鍋」と呼ばれるレストランに客が殺到した。あるWeiboユーザーは「洞窟焼肉」をお勧めしている。

ある洞窟鍋レストランの室温は空調なしで16度を記録し、利用者を大喜びさせたと伝えられている。新華社通信によると、このレストランは連日満員で、25日の外気温は42度に達したという。

別の地域では地下トンネルに多くの市民が避難し、マットを敷いて昼寝する人が多数目撃された。

歴史的な熱波とそれに伴う干ばつは農業部門に大打撃を与えている。

中国中央テレビ(CCTV)は四川省の養鶏業者の話を引用し、「一晩停電が続き、数千羽が脱水と思われる症状で死んだ」と報じた。

しかし、南部広東省に上陸した台風が四川省の一部地域に雨雲をもたらし、25日の大雨でダムと河川の水位が多少回復したという。CCTVは「台風が恵みの雨を呼んだ」と報じている。

気象当局は南西部、中部、上海周辺の高温と乾燥は少なくとも3日間は続くと予想している。

熱波の影響を受けているのは四川省だけではない。長江、特に三峡ダムに水を供給する河川の水量が減少しているため、上海を含む多くの都市に節電要請が出ている。

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