◎この大雨は先月の台風5号がもたらした前線によるもので、首都北京を含む広い範囲で大雨による洪水や土砂崩れが確認された。
中国北部の広い範囲で大雨による洪水が相次ぎ、これまでに少なくとも29人が死亡。経済損失は2兆円に上ると推定されている。国営メディアが11日に報じた。
それによると、この大雨は先月の台風5号がもたらした前線によるもので、首都北京を含む広い範囲で大雨による洪水や土砂崩れが確認されたという。
中国中央テレビ(CCTV)は当局者の話として、「河北省の大洪水により、市民少なくとも29人が死亡した」と伝えている。
新華社通信は河北省の状況について、「10日時点で少なくとも16人と連絡が取れず、経済損失は958億元(約2兆円)に達する見通しであり、復興には2年ほどかかる可能性がある」と報じた。
河北省は先週、前線の影響で大雨となり、近隣の北京でも140年ぶりの豪雨を観測した。
CCTVが11日に公表した暫定報告書によると、河北省の人口の約5%に相当する390万人が洪水の被害を受け、4万戸以上の家屋が全壊または損壊したという。
さらに16万戸近くが停電と通信障害に見舞われているようだ。
CCTVによると、河北省だけで175万人が避難を余儀なくされたという。
被害を受けた電力ケーブルやその他施設の補修は進行中とみられる。新華社通信によると、政府は被災地に仮設住宅を建設する予定だという。
今週初めの北京の洪水では少なくとも33人が死亡した。当局は住宅等の復興にはかなりの時間がかかるとし、被害の大きさからすると完全復興には最長で3年かかると見積もっている。
中央政府は11日、北京と天津市を含む洪水被災地を支援するため、14億6000万元の救済予算を新たに割り当てた。
これにより、被災地に割り当てられる予算は77億4000万元となった。