◎中国では毎年数回大規模な洪水が発生し、特に中部と南部は影響を受けやすい傾向がある。
中国の国営メディアは9日、中部の湖南省などで洪水が発生し、少なくとも17人が死亡、4人が行方不明と報じた。
新華社通信によると、南部広西チワン族自治区では地滑りも発生し、複数の村で被害が確認されたという。
新華社は自治体の情報を引用し、「湖南省では今月初め頃から豪雨が続き、いくつかの観測所で記録的な降雨量が記録された」と報じている。
報道によると、湖南省の洪水では少なくとも10人が死亡、3人が行方不明になり、約180万人が影響を受けたという。避難した市民は約28万6000人、2700戸以上の家屋が全壊または損壊したと伝えられている。
また新華社は「広西チワン族自治区の地滑りが発生した村に派遣された救助隊は生存者を探している」と報じている。この地滑りでは少なくとも7人の死亡が確認され、1人が行方不明だという。
国営CCTVは「広西チワン族自治区、江西省、福建省、広東省、海南省、四川省、重慶市、雲南省で洪水の危険が高まっている」と報じた。
中国では毎年数回大規模な洪水が発生し、特に中部と南部は影響を受けやすい傾向がある。
甚大な被害をもたらした1998年の長江洪水では2000人以上が死亡し、民家300万戸が破壊された。
政府はこの洪水後、長江の治水対策を強化し、三峡ダムなどの治水・水力発電プロジェクトに多額の投資を行っている。