◎チャドを含む中央・西アフリカ諸国の排水設備は脆弱であり、数十ミリの雨でも浸水することがある。
2022年7月2日/チャド、首都ンジャメナの中心部(Getty Images/AFP通信)

国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、中央アフリカの内陸国チャドでこの2カ月雨が続き、34万人以上が被災したという。

AFP通信は国連の暫定評価レポートを引用し、「6月末から34万人以上が洪水の影響を受け、家を捨て、財産を失った」と報じている。

OCHAは24日の声明で、「首都ンジャメナを含む全国11州で洪水による浸水被害が確認され、5万5123世帯の34万人以上が被災した」と述べた。

現地メディアによると、この数週間、広い範囲で雨が降り続いているという。

OCHAは声明の中で、「被災者は家を捨て、財産を失った」と述べ、国際社会の支援が不可欠と呼びかけた。

チャドを含む中央・西アフリカ諸国の排水設備は脆弱であり、数十ミリの雨でも浸水することがある。

OCHAによると、2021年の洪水被災者は確認できているだけで約25万6000人、2020年は38万8000人で、今年の被害は過去最大規模になる可能性があるという。

6月末以降に死亡が確認された人は22人。負傷者と行方不明者数は公表されていない。

チャドのOCHA事務所はAFP通信の取材に対し、「国連の予算には限りがあり、もっと支援が必要だ」と訴えた。同事務所によると、被災地支援には最低630万ドル(約8億6000万円)必要だが、軍事政権は支援予算をほとんど計上できていないという。

国連は今月、「チャドで緊急人道支援を必要としている人は2021年末時点で人口の3分の1以上にあたる550万人に達し、この数カ月で状況は悪化した」と報告した。

ロシアのウクライナ侵攻による食料・燃料価格の高騰が危機に拍車をかけている。

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