◎中米とカリブ海諸国では週末から大雨が続いている。
2024年6月17日/エクアドル、中部バニョス、土砂崩れに巻き込まれた集落(AP通信)

中米グアテマラで大雨により少なくとも3人が死亡、数千人が避難を余儀なくされている。地元当局が18日、明らかにした。

それによると、エルサルバドルに近い南部国境付近の河川に男性1人が転落。2人の男性が救助を試みたものの、3人とも濁流に飲み込まれたという。

地元メディアは目撃者の話しとして、「3人は家族とみられ、父親が子供を助けるために川に飛び込み、兄弟とみられる男性がそれに続いた」と伝えている。

救助隊はその後、下流で3人の遺体を発見・収容した。

中米とカリブ海諸国では週末から大雨が続いている。

エルサルバドルではこの1週間で少なくとも11人の死亡が確認されている。中央政府は16日に緊急事態を宣言し、洪水のリスクが高まっている地域の住民に避難を勧告。全国各地に避難所を125カ所開設した。

米国立気象局(NWS)によると、中米・カリブ海諸国の上空にはしばらく低気圧と前線が居座り、大雨が続く見通し。

グアテマラの太平洋岸とメキシコ湾でも大雨となり、浸水被害が確認されている。

NWSによると、メキシコ湾の低気圧はさらに発達し、今シーズン初のハリケーンになる可能性がある。

グアテマラのSNSユーザーが投稿した動画には、増水した川で助けを求める男性と、救助に向かう2人の姿が映っていた。野次馬が「危ない」と叫ぶ中、2人のうち1人が川に飛び込み、もう1人がそれに続いた。

グアテマラのアレバロ(Bernardo Arévalo)大統領は18日、土砂崩れと洪水で寸断された首都グアテマラシティ近郊の高速道路を視察。工事責任者に安全最優先で復旧作業に当たるよう求めた。

エルサルバドル政府も対応を急いでいる。

内務省は18日、全国に避難所を125カ所開設し、うち58カ所に1800人以上が身を寄せていると明らかにした。

政府の対策本部によると、5日間に渡る大雨により、全国で11人の死亡が確認され、家屋少なくとも72棟が全壊または損壊したという。

また同本部は地滑りを150カ所で確認。倒木は300件、道路の寸断被害は233カ所にのぼると報告した。

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