◎アルバータ州では高温と乾燥の影響で山火事が多発している。
カナダ、西部アルバータ州郊外で発生した山火事(Alberta Wildfire/Handout/ロイター通信)

カナダのトルドー(Justin Trudeau)首相は25日、陸軍に対し、西部アルバータ州で進行中の山火事に対応するよう命じた。

トルドー氏は声明で、「陸軍を直ちに同州に派遣し、消火活動や空輸支援を行う予定だ」と述べた。

消防によると、アルバータ州のユネスコ世界自然遺産、ジャスパー国立公園で発生した山火事は延焼し続けているという。

アルバータ州は数週間前から熱波に覆われ、山火事が多発。郊外のコミュニティではこれまでに7500人以上が避難を余儀なくされている。

ジャスパー国立公園では22日に少なくとも2カ所で大きな山火事が発生。当局は周辺住民と観光客、約2万5000人に避難を命じた。

カナダ放送協会(CBC)によると、ジャスパー国立公園の山火事のひとつは24日夕方、園近くの町に到達したという。現時点で死傷者は確認されている。

ソーシャルメディアで共有された動画には炎に包まれる複数の建物が映っていた。

地元当局は公園内や避難対象エリアに取り残されている人がいないか、ヘリコプターで捜索している。

被害の全容は明らかになっておらず、焼失面積も不明。CBCは関係者の話しとして、「数十平方キロメートルが焼失したと推定している」と報じた。

アルバータ州政府によると、避難を命じられたのは公園周辺で生活する住民と観光客約1万5000人および隣接する町の住民約1万人。ヘリ部隊は200人以上を救助している。

カナダの山火事シーズンは5月から10月頃まで続く。昨年の焼失面積は同国史上最悪の1万5000平方キロメートル超(岩手県とほぼ同じ)、23万人以上が避難を余儀なくされ、4人の消防士が亡くなった。

山火事の原因は落雷、たき火、キャンプファイヤー、花火、下草やゴミの焼却処理など。極度の高温と乾燥で自然発火することもある。

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