◎ジャスパー国立公園はカナディアン・ロッキー最大の国立公園であり、ユネスコの世界自然遺産に登録されている。
2024年7月23日/カナダ、西部アルバータ州、山火事が発生した国立公園近く(AP通信)

カナダ西部アルバータ州のユネスコ世界自然遺産、ジャスパー国立公園で発生した山火事について、地元当局は24日、公園内に取り残されている人がいないかヘリコプターで捜索していると明らかにした。

同園はカナディアン・ロッキー最大の国立公園である。

アルバータ州は数週間前から熱波に覆われ、山火事が多発。郊外のコミュニティではこれまでに7500人以上が避難を余儀なくされている。

ジャスパー国立公園では22日に少なくとも2カ所で大きな山火事が発生。当局は周辺住民と観光客、約2万5000人に避難を命じた。

同園のレンジャー部隊は声明で、「この24時間で245人を発見、救助し、24日午前の時点でヘリ2機が捜索を続けている」と述べた。

当局は22日深夜に山火事警報を出した。公園周辺で生活する住民と観光客約1万5000人、隣接する町の住民約1万人が対象となっている。

警報発表から数時間後、公園周辺の複数の道路で渋滞が発生。地元メディアによると、隣接する町の住民約1万人はこの24時間で避難を終えたという。

公園周辺で生活する住民の避難も25日未明までに完了する見通しだ。

公園内で宿泊するためには事前予約が必要。当局は園内にいる人の数は把握できているが、正確な位置は分からず、何人残っているかも不明だという。

アルバータ州では高温と乾燥の影響で山火事が多発。消防によると、同州全域で170件の山火事が発生し、その多くが制御不能状態だという。死傷者が出たという情報はない。

ジャスパー国立公園の山火事の1つは住宅地から5キロほどの位置で延焼中。もう1つは町から8キロほど離れている。

カナダの山火事シーズンは5月から10月頃まで続く。昨年の焼失面積は同国史上最悪の1万5000平方キロメートル超(岩手県とほぼ同じ)、23万人以上が避難を余儀なくされ、4人の消防士が亡くなった。

山火事の原因は落雷、たき火、キャンプファイヤー、花火、下草やゴミの焼却処理など。極度の高温と乾燥で自然発火することもある。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク