◎山火事の発生件数は110件に達し、その3分の1が制御不能とされた。
カナダ西部アルバータ州政府は6日、同州の広い範囲で山火事が多発していることを受け、非常事態を宣言した。
同州知事室によると、この数日の山火事により約2万5000人が避難を余儀なくされ、避難対象地区は拡大する可能性が高いという。
山火事の発生件数は110件に達し、その3分の1が制御不能とされた。
同州のスミス(Danielle Smith)州知事は6日、連邦政府との緊急会議後の記者会見で、「市民の命と安全を守るために非常事態を宣言する」と述べた。
対象地域は州全域。州政府は必要に応じて市民に避難を命じたり、連邦政府に予算支援を求められるようになる。
アルバータ州は北米最大の石油生産地のひとつである。
スミス氏は今回の山火事について、「極度の乾燥はしばらく続くとみられ、小さな火花が大惨事につながる恐れがある」と警告。市民に火の取り扱いに十分注意し、屋外でバーキューやたき火をしないよう呼びかけた。
スミス氏によると、20以上の町や集落が避難対象に含まれ、この数日で1220㎢(東京23区面積の2倍)が焼失したという。
スミス氏は声明の中で、「非常事態宣言により、州政府は緊急予算の解除や追加要員の投入など、困難な状況に対処する権限を与えられた」と述べている。
連邦政府の火災危険度マップによると、アルバータ州のほぼ全域と隣接する西部の草原地帯サスカチュワン州の大部分、ノースウェスト準州の大部分で山火事のリスクが極度に高まっている。
首相府の報道官はツイッターに声明を投稿。「トルドー(Justin Trudeau)首相は必要に応じて連邦予算を提供する用意がある」と書き込んだ。