◎消防当局によると、カリフォルニア州プラマス郡グリーンビル周辺の山火事のひとつは、一晩で約285㎢(東京ドーム6,100個分)に広がったという。
米主要メディアによると、カリフォルニア州北部の山火事は現在、州史上3番目の規模に拡大し、数週間にわたって燃え続け、数千㎢を焼き尽くしたという。
同州プラマス郡グリーンビルのコミュニティは激しい炎と熱風に飲み込まれ、地域の約1,000世帯が避難を余儀なくされた。AP通信によると、町は燃え尽きたという。
コミュニティの住民、エヴァ・ゴーマン氏はAP通信に、「17年前に故郷を離れ、この地に引っ越してきた」と語った。「私は売り家のひとつに一目惚れし、即購入を決めました。夫と息子も家が大好きでした...」
この地域の強風は8月5日午後までに落ち着いたと伝えられているが、ゴーマン氏の住むコミュニティは炎の勢いに屈した。ゴーマン氏は、「消防当局に自宅は全焼したと伝えられたが、自分の目で確認するまで信じません」と語った。
消防当局によると、プラマス郡グリーンビル周辺の山火事のひとつは、一晩で約285㎢(東京ドーム6,100個分)に広がったという。
地域全体の燃焼面積は1,750㎢(香川県とほぼ同じ)以上に拡大したと考えられている。消防当局によると、死傷者は報告されていないが、10,000戸以上が焼失の危機に直面しているという。
プラマス郡のトッド・ジョンズ保安官はABCニュースの取材に対し、「生まれ育った町が灰になり、とてもつらい」と語った。
プラマス郡の警察当局は6日、約2,000人が生活するコルファックス(町名)で民家約100戸が焼失したと述べた。当局者によると、炎を抑え込むことは難しく、近隣のプレーサー郡とネバダ郡の住民約6,000人に避難命令が出たという。
グリーンビルの山火事は、14の州で進行中の100を超える大規模な山火事のひとつである。専門家たちは、「歴史的な干ばつと乾燥が山火事を後押ししている」と指摘した。
グリーンビルの山火事の原因はまだ特定されていないが、地域の電力会社は山間部の送電線が落雷もしくは何かしらの事故で断線し、火災を引き起こした可能性があると述べた。
プラマス国有林で消火活動にあたっている消防士のクリス・カールトン氏はAP通信に、「私たちは未知の領域にいる」と語った。「炎の進行方向を予測して樹木を切り倒しても、炎は乾燥と強風の力を借りて成長し、森と町を焼き尽くします」
消防当局によると、山火事は2つの異なるルートからグリーンビルに接近し、コミュニティを焼き払ったという。ジェイク・ケーグル消防業務課長はAP通信に、「現場の消防士たちは避難を拒否する一部の住民を助けるために、命を危険にさらした」と述べ、当局が避難命令を出した場合は速やかに行動を開始するよう訴えた。「消防士に銃を向けた住民もいました...」
炎はビュート郡パラダイスにも迫っている。この町は2018年に発生した大規模な山火事のひとつに巻き込まれ、住民85人が死亡し、過去100年で最悪の被害を出した。
昨年アメリカ西部地区で発生した大規模な山火事の燃焼面積は約41,000㎢(北海道の2分の1)と推定されており、40人以上が死亡し、13,000以上の建造物が灰になり、被害総額は2兆円以上に上った。