▽洋上の風は陸上よりも速く安定する傾向があり、陸地に建設された風力発電と比較すると潜在的な利点がある。
ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が11日、洋上風力発電所の建設を許可する法案に署名した。
これにより、ブラジルの領海内で洋上風力発電の建設が可能になった。
洋上の風は陸上よりも速く安定する傾向があり、陸地に建設された風力発電と比較すると潜在的な利点がある。
しかし、洋上風力発電はコストが高く、建設も難しく、メンテナンスも大変である。さらに海洋動物や鳥類に影響を与える可能性もあるため、調査工事だけで数年単位の時間がかかる。
ブラジル政府によると、この法律は伝統的な海洋慣行と地域文化の尊重を確実にするため、影響を受ける地域社会との事前協議を義務付けることに加え、工事などに関するガイドラインも定めている。
政府のデータによると、ブラジルは国内で消費する電力の80%以上を水力発電を中心とする再生可能エネルギーで賄っている。
ルラ氏は署名に先立ち、熱電、石炭、ガス発電のような、汚染度の高い、高価で、非効率的なエネルギー源へのインセンティブを維持する法案の条項に拒否権を行使したとしている。