◎豪雨による洪水と地滑りは19日に発生。サンパウロ州のフレイタス知事は沿岸部の5地域に非常事態を宣言した。
2023年2月20日/ブラジル、サンパウロ州郊外、土砂崩れに巻き込まれ避難する人々(Andre Penner/AP通信)

ブラジル当局は21日、サンパウロ州で発生した洪水と土砂崩れの死者数が44人に達し、行方不明者の捜索を続けていると報告した。

豪雨による洪水と地滑りは19日に発生。フレイタス(Tarcisio de Freitas)州知事は沿岸部の5地域に非常事態を宣言した。

当局によると、被害は沿岸部の町サンセバスチャンに集中しているという。

サンセバスチャンはサンパウロ中心街の北方約200kmに位置する。予報官によると、サンセバスチャンの19日の24時間雨量は600mmに達したという。

現地で救助活動に当たっているサンセバスチャンの市職員はAP通信の取材に対し、「まだ多くの人が瓦礫の下に取り残されている」と語った。

州政府は21日の声明で、「直近24時間の捜索で新たに7人の死亡を確認した」と発表。土砂崩れで2000人近くが家を失ったという。

被害の全容はまだ明らかになっておらず、政府と自治体が調査を進めている。地元メディアは大小さまざまな規模の土砂崩れが数百カ所で発生したと報じている。

フレイタス州知事はサンセバスチャンで記者会見を開き、「軍隊が捜索・救助活動に加わり、23日から海軍が最大300床を備えた仮設病院を建設する予定である」と語った。

当局は救助活動と道路の整備を急いているが、報道によると、リオデジャネイロとサンパウロの港町サントスを結ぶ高速道路の一部は寸断されたままだという。内陸部でも多くの道路が土砂に埋もれた。

ダシルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は20日に現地を視察し、必要な支援の提供と、被害を免れた住民にも危機が迫る前に避難するよう呼びかけた。

予報官によると、サンセバスチャンで観測した24時間雨量(600mm)はブラジルの観測史上最大だという。

州政府は連邦政府と協力して食料、水、衛生用品など、約7.5トン支援物資を現地に送ったと報告している。

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