◎来年1月1日に就任するダシルバ次期大統領は「森林破壊ゼロ」を公約に掲げている。
ブラジルの国立宇宙研究所(INPE)は11日、同国の先月の熱帯雨林伐採面積が過去最高を更新したと発表した。
INPEによると、10月の伐採面積は904㎢(東京23区の1.5倍)に達し、同月の記録を更新したという。
さらに今年1月から10月の伐採面積は9494㎢(青森県とほぼ同じ)に達し、2019年の記録を12.7%上回り、この期間の記録を大幅に更新した。
来年1月1日に就任するダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)次期大統領はアマゾンの保護と環境保護を任務とする国家機関への資金提供を強化すると約束している。
ブラジルの森林破壊は2019年にボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領が就任して以来、増加の一途をたどってきた。
ボルソナロ氏はアマゾンにおける鉱山開発やその他の開発プロジェクトを推進し、経済を活性化させると有権者に約束し、再選を目指していた。
権利保護団体はボルソナロ氏が熱帯雨林および先住民族の土地を破壊し、伐採と暴力の増加に拍車をかけたと非難している。
昨年の統計によると、ボルソナロ政権のアマゾン伐採と環境破壊は15年ぶりの高水準に達したという。
ダシルバ氏は先月末に行われた大統領選決選投票後の勝利演説で、「ブラジルは気候危機との闘いを主導する用意がある」と決意表明した。
ダシルバ氏は「森林破壊ゼロ」を公約に掲げている。
ダシルバ氏は来週エジプトを訪問し、COP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)に参加する予定だ。
ダシルバ氏は11日の声明で「多くの指導者と話し合うことになる」と述べたが、どの首脳と会談するかは明らかにしなかった。