◎バングラデシュは低地が多く、大雨やサイクロンの影響を受けやすい。
バングラデシュ当局は25日、南部から中部の広い範囲で荒れた天気となり、少なくとも24人が死亡、数百万世帯が停電したと発表した。
政府報道官によると、家屋約1万戸が全壊または損壊し、農地数千ヘクタールが水没したという。
ベンガル湾で発生した低気圧は南部地域に上陸後、ゆっくり北上した。地元メディアによると、数十万人が避難を余儀なくされたという。
南部と南西部の沿岸地域では1日大雨となり、多くの地域が冠水したようだ。被害の全容は明らかになっていない。
低気圧は25日午後に弱まったものの、多くの地域で雨が続いた。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、ロヒンギャ難民約100万人が避難しているキャンプで洪水被害は報告されなかったという。
政府報道官は24日遅くの記者会見で、「ベンガル湾沖で浚渫(しゅんせつ)船が転覆し、8人が死亡した」と報告した。
南西部の地区では倒木が民家を直撃し、4歳の児童とその両親が死亡した。
地元メディアはその他の地域で少なくとも13人が死亡し、全国の死者数は確認できているだけで24人に達したと報じている。
これら地域では多くの配電線が倒木や強風で損傷したと伝えられている。政府報道官によると、停電は農村部に集中しているという。
3つ空港は25日午後に運航を再開した。
政府は24日、3空港に閉鎖を命じ、漁師には漁場から戻るよう求めていた。
バングラデシュは低地が多く、大雨やサイクロンの影響を受けやすい。
国連によると、地球温暖化がこのまま進めば、今後10年間でバングラ国民約1億6000万人のおよそ17%が移住を余儀なくされるという。