◎豪は「ラニーニャ現象」により、東部の広い範囲で大雨が続いている。
2022年11月15日/オーストラリア、ニューサウルウェールズ州中央部の町、洪水で泥だらけになった道路と市民(Murray McCloskey/AAP Image/AP通信)

オーストラリア当局は15日、ニューサウスウェールズ州(NSW)中部の町で再び洪水が発生する可能性があると警告し、約1000人に避難を呼びかけた。

州政府の危機管理局によると、広い範囲で雨が続き、ラクラン川の水位が上昇。2週間前に冠水したばかりのフォーブスで再び洪水が発生する可能性が高まっているという。

フォーブスの人口は約1万人。

州政府の報道官は声明で、「先月の洪水で被災したフォーブスの一部の住民はまだ自宅に戻れていない」と述べている。

また報道官はラクラン川が増水すれば、低地が再び冠水する可能性があると警告し、約1000人に避難を勧告した。

豪は「ラニーニャ現象」により、東部の広い範囲で大雨が続いている。最大都市シドニーのあるNSWは2カ月前に緊急事態を宣言した。

ラニーニャが発生すると前線や台風が発生しやすくなり、日中の気温も低くなる。

ラニーニャは別の異常気象エルニーニョの翌年に起こることが多い。

これはエルニーニョ現象とは対照的に、太平洋の赤道域の中部で海面水温が通常よりも下がり、太平洋西部の国々(豪、バングラデシュ、インドネシア、マレーシア、フィリピンなど)の地表温度との差がより大きくなる。

この温度勾配は地球温暖化によって増大する可能性が高く、大気の流れや降雨パターンに影響を与え、温度差が大きいほど太平洋西部の国々では多雨傾向となり、太平洋東部の米大陸では少雨傾向となる。

NSW政府は声明で、「フォーブスとその周辺地域で救助活動を進めており、水が引かない地域の住民を支援するために航空機14機を派遣している」と報告した。

また同政府は週末にかけてさらに雨量が増えると予想されていることを受け、対象地域の住民に速やかに避難するよう改めて呼びかけた。

オーストラリア放送協会(ABC)によると、NSW中部の一部集落が洪水で孤立したという。負傷者は報告されていない。

2022年10月14日/オーストラリア、ビクトリア州メルボルン(Erik Anderson/AAP/AP通信)
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