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オーストラリア熱波、50度に迫る地点も「凄まじい暑さ」

この猛暑は同国南東部を中心に広範囲に及び、複数の地域で最高気温を更新しつつあり、住民生活や各種イベントに深刻な影響を与えている。
2026年1月27日/オーストラリア、ニューサウスウェールズ州シドニー(ロイター通信)

オーストラリアが記録的な熱波に見舞われ、内陸部を中心に気温が50度近くまで上昇する異常な高熱に襲われた。この猛暑は同国南東部を中心に広範囲に及び、複数の地域で最高気温を更新しつつあり、住民生活や各種イベントに深刻な影響を与えている。

ビクトリア州では27日、複数の地域で最高気温が49度に達し、2009年の大火災の際に記録した48.8度を上回ったとみられる。これが確定すれば、同州として過去最高の気温になる見込みだ。ほかにも州内の複数地点で40度台後半の高温が観測されている。

この熱波による死亡例は今のところないものの、当局は厳重な注意を呼び掛けている。特にビクトリア州では3件の森林火災が制御不能の状態で燃え続け、火災危険度が極めて高い「エクストリーム」レベルに達している地点もある。消防当局は住民に対し、自宅周辺の可燃物の除去や避難準備を促している。

メルボルンでは同日、オーストラリアンオープンテニスが開催されていたが、猛暑の影響で来場者数が大幅に減少した。通常は5万人近い観客が訪れる屋外セッションだが、この日はわずか2万1000人程度にとどまったという。また、大会主催者は極度の高温に対応するため、メインアリーナの可動屋根を閉じ、屋外コートでの試合進行を遅らせるなどの対策を実施した。選手らも氷のパックや扇風機で体温を下げながらプレーを続け、メディアも機材の過熱を避けるためにタオルで機器を覆うなど異例の対応を強いられた。

気象局(BoM)は今回の熱波が同国史上最も厳しい夏の一つになると指摘している。今月初めにも強い熱波が発生し、サウスオーストラリア州やニューサウスウェールズ州で記録的な高温を記録した。これにより全国各地で熱関連の健康リスクが高まり、救急サービスへの問い合わせや医療機関への搬送が増加しているという。

異常な高温は健康にも重大な影響を与える。高齢者や子ども、慢性疾患を抱える人は熱中症や脱水症状のリスクが特に高く、当局は十分な水分補給や冷房の利用、日中の外出を避けるよう強く呼び掛けている。また、都市部ではアスファルトや建物が熱を蓄える「ヒートアイランド現象」により体感温度がさらに上昇し、生活環境を一段と過酷なものにしている。

この熱波は週末まで続く予報で、BoMは今後も高温が持続する可能性を示唆している。農業への影響やエネルギー需要の急増による停電リスク、山火事の拡大など、各方面での対策が求められている。気候変動の影響を背景に、こうした極端な気象イベントが頻発するとの懸念も専門家の間で強まっている。

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