米国北部で寒気の影響続く、洪水と大雪のダブルパンチ
カナダから流れ込んだこの寒気は内陸部にも広がり、北中西部では気温が急低下、ノースダコタ州グランドフォークスでは氷点下30度を記録したと報じられている。
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米国北部に北極圏の寒気が流れ込み、太平洋岸北西部で洪水の影響が続いている。カナダから流れ込んだこの寒気は内陸部にも広がり、北中西部では気温が急低下、ノースダコタ州グランドフォークスでは氷点下30度を記録したと報じられている。ミネアポリスやシカゴなどの都市でも気温が記録的な低さに達する見込みであり、南部のアラバマ州モントゴメリーやジョージア州サバンナでも氷点下近くまで冷え込む可能性があるとの予想が出ている。国立気象局(NWS)は南東部にかけて低温注意報を発令した。
一方、太平洋岸北西部のワシントン州では数日間にわたる猛烈な雨をもたらした「大気の川」現象によって記録的な降水量が観測され、洪水や地滑りの危険性が高まっている。
降雨により川の水位が急激に上昇し、スノクォルミー川やスカジット川など複数の河川が堤防決壊の危機にさらされている。広範囲で道路や橋が冠水・寸断され、土砂崩れや泥流の発生も相次いでおり、交通網やインフラに大きな影響が出ている。洪水のために多くの住民が避難を強いられ、農場や住宅地が水没するなど被害は深刻な状況にある。
ワシントン州モノローを含む被災地では救助活動が続き、キング郡の海洋救助ユニットが浸水した農場から住民やペットをボートで救出した例もある。ある夫妻は増水に伴いロバやヤギを高台へ移そうとしたが、急激な水位上昇のため家屋付近が一面湖と化したため、避難を断念。救助隊が夫妻と犬を安全な場所へ運んだ。
当局は洪水が完全に収まるまでには日数を要すると警告している。浸水域では依然として高水位が続き、さらなる降雨や地すべりの危険が残ると指摘されている。また、堤防の弱体化や決壊の可能性もあり、住民らは引き続き警戒を強めるよう呼びかけられている。道路閉鎖やライフラインの寸断、避難所への移動など、緊急対応が広範囲で行われているという。
今回の寒気と洪水の同時発生により、地域社会は異常気象による多重被害に直面している。専門家は温暖化に伴う大気の不安定化が極端な気象現象を増加させている可能性を指摘しており、今後の気象動向に注意が必要だとしている。国の気象機関や災害対策当局は住民に対し、最新の気象情報を入手し、危険な地域からは速やかに離れるよう注意を促している。
