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オーストラリア山火事、1人死亡、建物300棟焼失

今回の山火事は、酷暑と乾燥した気象条件が重なったことが主な原因とみられ、気候変動の影響が指摘されている。
2026年1月11日/オーストラリア、ビクトリア州郊外、山火事が発生した現場近く(ロイター通信)

オーストラリア南東部ビクトリア州で発生した山火事について、地元当局は11日、少なくとも1人が死亡し、300棟以上の建物が焼失したと明らかにした。州当局はビクトリア州を中心に火災が数日間にわたり広範囲に燃え広がっていることを受け、非常事態を宣言して数千人の消防士と70機以上の航空機を動員し、消火活動にあたっている。

州警察によると、郊外の集落で捜索に当たった結果、全焼した車のそばで遺体を発見したという。被害者の身元は明らかになっていない。当局が死因や身元などを調べている。

火災は複数の地域で同時発生し、特に中部エリアの山火事が猛威を振るっている。州首相はSNSへの投稿で、「この災害はまだ最悪の段階を脱していない」と警告し、市民に対して避難指示に従うよう求めた。

州内ではこれまでに30万5000ヘクタール(東京都面積の1.4倍)以上の森林や農地が焼失したとみられ、住宅や農業施設、倉庫など300棟以上の構造物が全焼した。被害には一般住宅だけでなく農業用の建物や付帯施設も含まれており、多くの住民が自宅や財産を失った。煙により空気質も悪化し、メルボルンなど一部地域でも健康への影響が懸念されている。

中央政府は被災者支援に乗り出しており、災害救助資金や一時的な住居提供、農家支援などの支援策を進めている。アルバニージー(Anthony Albanese)首相は中央政府と州政府による共同支援パッケージを発表し、被害を受けた住民の生活再建に向けた支援を行うと述べた。

ビクトリア州の国立公園やその周辺など複数の地域で依然として火災が危険な状態で燃え続けている。消防当局は風の影響や乾燥した気象条件により火勢が再び強まる恐れがあるとして、警戒を強めている。

一部の小規模コミュニティでは道路閉鎖の影響で避難した住民が戻れずにいるところもある。火災地域では倒木や落下した電線などの危険が残るため当局は一般の立ち入りを禁じ、安全が確認されるまで避難継続を呼び掛けている。

今回の山火事は、酷暑と乾燥した気象条件が重なったことが主な原因とみられ、気候変動の影響が指摘されている。専門家は今後も同様の大規模火災が発生する可能性があり、地域社会はこれまで以上の防災対策と早期警戒体制の強化が求められるとしている。被災地では復旧と再建に向けた取り組みが今後長期にわたり続く見込みである。

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