12月1日、中国は管理品目の輸出を制限する「輸出管理法」を新たに導入した。
この法律は、トランプ大統領が課した中国への制限に対抗するものと信じられている。
TikTok、ファーフェイ、テンセントは、ホワイトハウスの取り締まりの犠牲者である。
輸出管理法は進行中の米中貿易戦争をエスカレートさせる可能性が高い、と懸念されている。
両国の貿易摩擦は2018年に始まり、今年激化した。
輸出管理法
輸出管理法は、核、軍事、および民間と軍事の両方で使用できるデュアルユースを含むいくつかの管理品目を対象とする。
また、中国の国家安全保障の保護に必要不可欠であると考えられる品目も対象としている。なお、AIやアルゴリズムなどの「データ」も品目に含まれる。
輸出者は管理リストに記載されている品目、または一時的な管理の対象となる品目を輸出する際にライセンスを申請しなければならない。
違反した者は、厳しい罰金(最大76万ドル:約8,000万円)、輸出免許の取り消し、安全保障に関連する品目であれば刑事罰に直面する。
この法律は海外の企業や個人に厳しい罰を与えるだけでなく、北京が機密情報や重要な資源の輸出を制限するかもしれないことを示唆している。
希土類鉱物の規制
輸出に大きな影響を与えることが想定されていた結果、希土類鉱物(レアアース)の取引価格が上昇した。
中国は、スマートフォンなどの家電製品、風力タービンなどに使用される希土類鉱物の世界一の販売元である。
シンガポール国立大学のアレックス・カプリ教授は希土類鉱物について、「中国に圧倒的な優位性がある」と述べた。
アレックス・カプリ教授:
「過去30年間、希土類鉱物は中国のひとり勝ちだった。リストに加われば、大きな影響を与えるだろう」
希土類鉱物が管理品目の対象に含まれるかどうかはまだ分かっていない。
トランプ大統領vs中国
トランプ政権は中国政府とデータを共有していると「疑われている」企業を大統領令で打ち負かした。
これに対し中国は、今回の輸出規制法で希土類鉱物などの重要資源の輸出に厳しい制限を設け、アメリカだけでなく世界に圧力をかけようとしている。
カプリ教授は法律について、「AIとアルゴリズムを管理品目に加えたことが特に興味深い」と述べた。
中国政府はTikTokのアルゴリズムの流出を望んでおらず、現在進行中の買収交渉の末にそれを奪われるのであれば、アメリカから撤退した方がよいと考えているという。