◎2020年第4四半期の経常損失は7億5,500万ドル(約800億円)、年間の損失は120億ドル(約1兆3,000億円)だった。
◎デルタ航空の株価は、2021年の取引開始時から約4%上昇した。
米航空大手のデルタ航空によると、2020年第4四半期の経常損失は7億5,500万ドル(約800億円)、年間の損失は120億ドル(約1兆3,000億円)だったという。
第4四半期の赤字額は前3期に比べると改善したが、年間の損失は過去最高を大きく更新した。
同社の幹部は、「コロナウイルスのワクチン接種が2021年の旅行シーズンを救ってくれるかもしれない」と期待している。
アメリカ国内における12月の空の旅の増加は同社の第4四半期の業績を改善させた。
当局によると、クリスマス休暇中に数百万人が国内を縦横無尽に横断したという。結果、コロナウイルスの感染は急拡大し、州はロックダウンされ、旅行者は再び減少した。
第4四半期におけるアメリカの空の旅は、州の移動の制限などの影響で前年同期から60%以上減少した。
一方、デルタ航空や他の航空各社は2021年の見通しについて、「アメリカや他国に十分なコロナウイルスワクチンが供給されることで旅行制限は緩和され、ある程度改善する」と予想している。
デルタ航空は2021年第1四半期の収益が2019年同期から60~65%減少すると予測した。これは2020年第4四半期のマイナス65%とほぼ同じである。
同社のエド・バスティアンCEOは声明で、「2021年第2四半期には経常利益を報告できると期待している」と述べた。
エド・バスティアンCEO:
「うまくいけば、ワクチンははるかに高いレベルで配布され、ウイルスははるかに封じ込められ、市民は自分たちの生活を改善させることができるだろう」
「2021年春、市民は夏休みの予定を計画し始める。今年の夏の予約件数は大きく増加すると信じている」
しかし、当局の専門家は、「収益源の海外旅行と出張はゆっくり回復もしくは現在と同じ水準を維持」し、「収益性の低い国内レジャー旅行は多少回復する程度」と予測している。
2021年1月のアメリカの空の旅は、2019年同期からこれまでのところ60%近く減少している。これは2020年4月(国家非常事態発令)の95%減に比べるとはるかにマシは数字だが、公衆衛生当局は市民に旅行を避けるよう現在も求め続けている。
・第4四半期の搭乗率 42%(前年86%)
・フライトスケジュールの見直しによる燃料費節約 13億ドル(前年から大きく改善)
・賃金と福利厚生の削減額 10億ドル(失業者の増加に貢献)
・同社の株価は、2021年の取引開始時から約4%上昇した。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカのコロナ累計感染者数は1月14日時点で2,320万件、累計死亡者は38.6万人。1月13日の新規陽性者数は230,476件、死亡者は3,922人だった。なお、保健当局は、変異種の感染拡大に歯止めがかからないため、州をまたぐ移動は控えるよう強く呼びかけている。