9月:輸出は9.9%、輸入は13.2%増加

他の主要経済国がコロナウイルスの影響に苦しむ中、中国の貿易は力強く成長している。

税関のデータによると、9月の輸出は前年同月比9.9%増の2,398億ドル(25.3兆円)。世界第2位の経済は勢いを取り戻し、輸入は前月の2.1%減から13.2%増まで回復、2,028億ドル(21.4兆円)だった。

なお、輸入の急増により、貿易黒字は8月の590億ドルから370億ドルに減少した。

税関のスポークスマン、李奎文氏は次のように述べた。

李奎文氏:
「9月までの3か月で輸出は”包括的回復”を遂げた」

中国は世界に約1兆元(15.8兆円)相当のマスクや医薬品等を輸出し、世界的な供給不足を首尾よく埋めた」

ほとんどの大国は、ロックダウン、国民の支出減、そして企業活動の低迷に伴う大きな経済縮小に苦しむと予想されている。

しかし、今回のデータは、中国がパンデミックによって引き起こされた世界的な需要減から急速に回復したことを示唆している。

中国はコロナウイルスの感染を確認した最初の国であり、昨年末に症例を報告した。

その後、世界を大混乱に陥れるパンデミックに見舞われるも、厳格な共産党ロックダウンでウイルスを封じ込め、第1四半期の落ち込みから急反発した。

アナリストは、家庭用電化製品、医療機器、個人用保護具(PPE)を含む繊維製品に対する国際的な需要の急増が輸出を押し上げたと述べている。

Getty Images/中国、コンテナを乗せたタンカー

中国の輸出入総額は、9月末までの1年間で前年比0.7%増の23.12兆元(361兆円)に達し、パンデミックで受けたダメージを跳ね返した。

一方、世界第3位の日本経済は、輸出の落ち込みが大きく足を引っ張り、過去最悪の縮小を記録。1位のアメリカ経済も7月に過去数十年で最悪の落ち込みを見せた。

国際通貨基金(IMF)は世界経済について、6月に発表した「やや深刻な景気後退」より悪くなることはないと予測。ただし、深刻な不況にあることは確かで、今回の予測より悪い結果になるリスクは「かなり高い」と述べている。

IMFが予測した2020年の世界経済の縮小は、4か月前に想定していたものより緩やかな「4.4%」。来年の「5.2%」も前回予測より緩やかである。

パンデミックの影響で最初に抑圧された中国の成長への回帰は、予想よりはるかに力強かった。

中国の最大の貿易相手国は、マレーシアとシンガポールを含む東南アジア諸国連合である。その次の顧客は「EUとアメリカだった」と税関のスポークスマン、李奎文氏は語った。

2020年7月29日 AP通信/中国、首都北京、アメリカの自転車ブランドが発表した新製品に注目する人々

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