トランプ大統領の期待に応えるネオナチとプラウド・ボーイズ
オンラインによるキャンペーン活動が激化する中、いくつかのグループは投票所の監視活動に精を出しているという。
複数の州当局は、郵便投票の不正を訴えるトランプ大統領の「投票所監視依頼」に応える武装集団が積極的に活動していると報告した。
16日、ミシガン州のジョスリン・ベンソン州務長官は投票所およびその周辺でのオープンキャリーを禁止した。
※オープンキャリー・・・銃を隠さずに持ち歩く携帯方法
ミネソタ州警察のジョー・ガスパー氏はABCニュースの取材に対し、「選挙権を行使したい人は、脅迫の脅威にさらされることなく安全に投票できる。また、それを保障するために、複数の法執行機関が協力しているとミシガン市民に理解してほしい」と述べた。
同日、ニュージャージー州のグルビル・グレワル司法長官も、有権者を保護する法執行機関のガイダンスを発表した。
グルビル・グレワル司法長官:
「投票監視員は有権者への嫌がら、脅迫、強制投票、騒乱等を引き起こしたり、人種や民族、支持政党に異議を唱えてはいけない」
ロードアイランド州のジーナ・ライモンド州知事は15日の記者会見で、「有権者に対する暴力や脅迫を排除するために、必要な安全対策を講じる」と述べた。
これらの措置は、ネオナチの支持者と結びついたオンラインアカウントと、プラウド・ボーイズなどの「オルタナ右翼グループ」がキャンペーン集会や投票所への集結をSNSで呼びかけ、活発に活動し始めていることに対するけん制である。
チームトランプは「トランプ軍の投票監視サイト」を運用し、そのリンク先と関連情報を全米中に発信している。
13日に発表されたSITE Intelligence Group(潜在的なセキュリティの脅威をオンラインで追跡する非政府機関グループ)のレポートによると、あるユーザーは、プラウド・ボーイズに所属する1,800人が共有するリンク先に「民主党員は共和党員が投票に参加することを望んでいない」と投稿していたという。
また16日にSITEが発表した別のレポートは、「プラウド・ボーイズの共有するリンクは、約5,000人のメンバーで構成(推定)されるネオナチチャンネル内でも共有されていた」と報告している。
トランプ大統領が第1回大統領討論会で主張した「投票所を注意深く見守るべき」という呼びかけは、いくつかの極右グループに届き、ネオナチとプラウド・ボーイズもそれに強く反応した。
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チームトランプの副報道官を務めるサマンサ・ザガー氏はABCニュースの取材に対し、「トランプ大統領は何度も極右グループを非難したが、メディアはそれを面白おかしく記事にし、正確な情報を発信しない」と語った。
一方、ザガー氏はABCニュースから「ネオナチやプラウド・ボーイズの投票監視任務」について質問されたが、それらの活動を明確に否定しなかった。
投票所の監視行動は、州によって異なる厳格な規則と法律を遵守すれば、合法である。
また、ほとんどの州に「訓練を受けた武装も脅迫もしない投票監視者」が複数名配置され、情報を陣営に連絡し、必要に応じて不正をチェックすることも許可されている。
ABCニュースが入手したチームトランプの投票監視員トレーニングの訓練ビデオによると、候補者たちは有権者との交流を避けるよう明確に指示されていたという。
SITEのレポ―トは、「トランプ大統領に志願するプラウド・ボーイズまたは同様のグループによる努力は、これまでのところ、有権者への抑圧や脅迫に発展していない」と記している。
SITEのレポ―ト:
「チームトランプは、ネオナチとプラウド・ボーイズを投票監視員に事実上認めていると推察できる」
「彼らは反対派の有権者を威嚇し、圧力をかけ、嫌がらせをするのに役立つ可能性がある」
ジョージタウン大学法学教授を務める元司法省高官のメアリー・マコード氏はABCニュースの取材に対し、次のように述べた。
メアリー・マコード教授:
「これらのグループのいくつかは、トランプ大統領の誤った主張に耳を傾けるだろう」
「トランプ大統領は彼らを明確に拒否しない。そして白人至上主義者は彼の願いに応え、一部の過激な者たちも行動を開始する」
9月29日、トランプ大統領は第1回大統領討論会の中で支持者たちに、「投票所の様子を非常に注意深く見守る」よう促し、政治的緊張をさらに高めた。
なお、10月15日に開催されたNBCニュースの大統領テレビショー中、トランプ大統領は「白人至上主義を非難する」と述べている。
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ブレナン司法センターのショーン・モラレス・ドイル副所長はABCニュースの取材に対し、次のように述べた。
ショーン・モラレス・ドイル副所長:
「チームトランプは投票監視員を募集する際、軍隊という言葉を使用している」
「有権者の投票を法に則り監視する者に軍隊という言葉は使わない。軍隊は敵との戦争に従事する人々を連想させる」
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