共和党マスクレス集会inミシガン
ドナルド・トランプ大統領は、コロナウイルスの猛威と今後の対策の重要性をエキスパートが警告する中、ミシガン州で共和党マスクレスキャンペーンを開催した。
9月10日、会場に集まった共和党支持者たちの大半はマスクを紛失していた。
彼らはトランプ大統領が吹聴する「コロナウイルスは消えてなくなる」「マスクよりヒドロキシクロロキン(抗マラリア薬)を服用しろ」というメッセージを信用し、世界保健機関(WHO)、優秀な科学者、医療関係者の推奨する感染予防対策(マスク着用、社会的距離の確保)は一切信用しない。
再選を狙うトランプ大統領は、コロナウイルス関連の制限をますます嘲笑、無視、踏みにじり、今、この国に必要なものは、”Make America Great Again(アメリカ合衆国を再び偉大な国に)”だけである、と吹聴し始めた。
一方、ホワイトハウスコロナウイルス対策チームの最高顧問を務めるエキスパート、アンソニー・ファウチ博士は、「コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行し、壊滅的な被害をもたらすかもしれない」と警告している。
9日にCBSニュースのインタビューを受けたファウチ博士は、「トランプ大統領が全然マスクを着用せず、大規模マスクレス集会を開催することにイラつくか?」と質問され、「非常にイラつく」と答えた。
トランプ大統領のコロナウイルスに対する反応と行動は、世界中のエキスパートが発信する確かな健康対策をあざけり、州当局が規則として発出した集会時のマスク着用ルールを粉砕している。
現在、トランプ大統領は経済活動再開と路上で繰り広げられている暴力的な抗議運動に焦点を移すよう働きかけており、コロナウイルスのことは記憶の片隅に追いやってしまったようだ。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの累計感染者数は650万人を突破。死者数豈19.4万人超、24時間当たりの新規感染者数は一時期に比べると多少落ち着いたが、それでも1日40,000前後の陽性者が報告されている。
先週、トランプ大統領のコロナウイルス軽視発言を告発したボブ・ウッドワード氏の暴露本「レイジ(RAGE)」は、9月15日にリリースされる予定である。
10日、エキスパート中のエキスパートであるファウチ博士は、トランプ大統領のマスクレス集会に異議を唱え、現在の24時間当たりの新規感染者数および死者数(1,000人前後で推移)に「不安を感じる」とコメントした。
6月、オクラホマ州タルサで大規模マスクレス集会を復活させたトランプ大統領は、労働者の日に「マスクを着用した方がよい」と国民に呼びかけた。
しかし、キャンペーン運動の本格化以降、トランプ大統領はマスク着用という概念を完全に消え去った。
さらに、コロナウイルスの制限を回避すべく、全国の空港格納庫で週に複数回、共和党大規模マスクレス集会を開催している。
先週、ペンシルベニア州ラトロープもマスクレス集会は継続され、民主党大統領候補のジャー・バイデン氏はこれを厳しく批判した。
これに対しトランプ大統領は、反省する素振りを一切見せず、「ジョーを信用すればこの国は地に落ち、黒人は不当な差別を受け続け、景気は後退し、アメリカは中国の奴隷になり下がるだろう」と猛反発した。
ミシガン州フリーランドのMBS国際空港でマスクレスキャンペーンを開催したトランプ大統領は、マスクを紛失した共和党支持者たちに語りかけた。
ドナルド・トランプ大統領:
「ジョーと同じくらいマスクが好きな男性は非常に少ない。それは彼に安心感を与えるようだ。しかし、もし私が精神科医だったら、彼は大きな精神疾患を抱えていると指摘するだろう」
「私はマスクを着用せずに相手と向かい合う。相手がコロナウイルスに感染していようと、距離を確保すればよいだけのことだ。少し頭を使えば分かる。そして、私は一度もこのウイルスに感染していない」
マスクを紛失したミシガン州の共和党有権者たち
マスク紛失
9月8日、ノースカロライナ州ウィンストンセーラムで行われた共和党の空港集会に先立ち、郡のGOP議長を務めるデイブ・プライラー氏は参加者およびだトランプ大統領にマスクの着用を止めた。
しかし、トランプ大統領および共和党有権者の大半はマスクを自宅に忘れていた。
さらにトランプ大統領は、同州のロイ・クーパー民主党州知事が策定したコロナウイルス対策を嘲笑。「私たちは屋外でイベントを行っている。屋外と屋内で条件が大きく異なることは、周知の事実だ。しかし、民主党と一部の偉大なエキスパート博士は違うという。本当にそうなのか?」と観衆に呼びかけ、大声援を受けた。
現在、ノースカロライナ州は屋内外を問わず、大規模集会を禁止している。
ウィンストンセーラムでトランプ大統領の演説を聞いた共和党有権者は約15,000人。さらに、空港のハンガーに数千人、入場できない者たちが空港施設内に数千人集まり、周辺一帯はトランプコールで埋め尽くされた。
トランプキャンぺーンチームのスポークスマンを務めるサマンサ・ザガー氏はABCの取材に対し、以下のように述べた。
サマンサ・ザガー氏:
「トランプ大統領およびキャンペーンチームは、アメリカ人と直接つながることに重点を置いている。そして私たちは、そこに集まった全ての人々の健康と安全を優先している」
「パンデミックはキャンペーン活動に大きな影響を与えた。しかし、トランプ大統領の比類なき熱意と意志は、そんなものには左右されない。11月3日に再選が決まり、アメリカはこれからも世界の頂点に君臨し続けるだろう」
トランプキャンペーンチームは、全ての参加者にマスク、消毒、検温チェックを行っていると主張した。しかし、映像や写真に残されている通り、大半の有権者たちはマスクを紛失している。
ホワイトハウスのケイリー・マクナニー報道官は記者団に対し、以下のように述べた。
ケイリー・マクナニー報道官:
「人種的正義を求める大規模抗議集会は数千人規模で開催されている。トランプ大統領の行っている集会も参加者にマスク着用を推奨し、屋外で実施している」
「人種差別に平和的に抗議している人々は、合衆国憲法修正第1条に基づき、彼らの権利を主張することができる。平和的な抗議集会は当然の権利であり、いかなる理由があろうと決して奪うことはできない。つまり、そういうことだ」
トランプ大統領のマスクレス集会は、ファウチ博士が警告する「インフルエンザとコロナのダブル攻撃に備えねばならない」という警告と衝突した。
疾病予防管理センター(CDC)の所長を務めるロバート・レッドフィールド博士は、この秋と冬に必ず発生する季節性インフルエンザとコロナの同時流行について、何カ月も前から警告を発し続けてきた。
ロバート・レッドフィールド博士:
「私たちは4つの簡単な提案を全アメリカ国民にお願いする。マスクを着用し、社会的距離を保ち、手を洗い、人だかりを避けて行動することが大切だ」
「私たちがこの提案を遵守すれば、パンデミックは必ず下火になるだろう。しかし、これを守らねば、2020年の秋と冬には、かつて経験したことのない、とてつもない規模のクラッシュが発生するかもしれない」
10日、トランプ大統領は記者団に対し、「専門家と呼ばれるエキスパートたちが何を言おうと、私は未来永劫ロックダウンを行わないだろう」と力強く語った。
【関連トピック】
・トランプネバダラリーがコロナウイルスと衝突
・トランプCOVID-19ワクチンが爆発炎上
・2020年冬、人類は試練の時を迎える?
訳:黙ってマスクしやがれ