トランプ大統領に投じられた票
9月25日、法務省当局はABCニュースの取材に対し、「ウィリアム・バー司法長官はペンシルベニア州で発生した郵便投票の不正をトランプ大統領に報告し、大至急調査するよう指示を受けた」と明らかにした。
トランプ大統領はフォックスニュースラジオのインタビューの中で調査は初期段階にあると語り、「私の言った通りになった。郵送投票は詐欺と不正に満ちている。間もなくその危険性が証明されるだろう」と主張した。
ドナルド・トランプ大統領:
「ペンシルベニアの選挙チームは、私の名を記した有権者の投票用紙をゴミ箱に捨てた。私の票だけを捨てたのだ」
「ペンシルベニアは国民にこれから何が起こるかを示してくれた。私は郵便投票の不正を一切許さない。まもななく連邦捜査局(FBI)が答えを出すだろう」
25日午後、ペンシルベニア州中部地区のFBIはプレスリリースを発表。郵便投票の不正に関するコメントはなかった。
当局によると、「ルザーン郡選挙管理委員会内で発生した郵便投票に関する潜在的な問題」を現在調査しており、「トランプ大統領に投じられた票、計9票がゴミ箱から発見された」という。
その後、当局は発見されたトランプ大統領への票を7票に修正し、他の2票に名は記されていなかったとコメントした。
FBIによる調査は継続中、ルザーン郡選挙管理委員会は票の不適切な管理だけでなく、許可なく投票用紙を開封、州選挙法を犯した。
デービッド・フリード弁護士はABCニュースの取材に対し、以下のように述べた。
デービッド・フリード弁護士:
「私たちが調査を行った結果、ルザーンの選挙事務所は手元に届いたほぼ全ての郵便投票用紙を何の疑いもなく開封したことが判明した」
「海外、郡、不在者、郵便の投票用紙は非常によく似ている。しかし、”封筒を開封せずに保管する”という重要な使命は守られなかった」
【ペンシルベニア州選挙法(抜粋)】
・集められた投票用紙の封筒は、選挙日当日(11月3日)まで開けることはできず、厳重かつ適切に保管しなければならない。
ペンシルベニア州の致命的な不正は、トランプ大統領が主張する”郵便投票反対”を力強く後押しする。
ホワイトハウスの批評家たちは、「絶対にトラブルなどあり得ない」と信じた郵便投票での不正にショックを受け、”新たな懸念”に警戒感を示した。
司法省の元局長、マシュー・ミラー氏は以下のように述べた。
マシュー・ミラー氏:
「これは前例のない異常事態であり、非常に危険な要素をはらんでいる。さらに、誰の票が捨てられたかを発表したことで、混乱に拍車がかかった」
「選挙管理委員会はトランプ大統領の選挙戦に大きく貢献した」
司法省当局はABCニュースの取材に対し、「記者団から、トランプ大統領がフォックスニュースに向けて行ったコメントの情報を求められているが、調査は現在も進行中であり、話せることはない」と語った。
デービッド・フリード弁護士からの情報公開に先立ち、ケイリー・マケナニー報道官は記者会見で、まもなく新しい情報が公開されると述べた。
ケイリー・マケナニー報道官:
「トランプ大統領の名を記した有権者の投票用紙が、ペンシルベニア州選挙管理事務所のゴミ箱から発見された」
「ホワイトハウスはこの事案のさらなる詳細情報を今すぐ入手すべきと確信している。全国民に与えられる”唯一無二の権利”を行使した有権者の貴重な票がゴミ箱に投げ捨てられた。この事実を重く受け止めなければならない」
ペンシルべニア州の地元メディアは、事件の詳細を確認すべく関係弁護士事務所に連絡を取り始めており、混乱が広がっている。
司法省当局によると、バー司法長官は州裁判官に調査方法等のガイダンスを発表するよう求めたという。
フリード弁護士の声明が発表された直後、ホワイトハウスとトランプ大統領のキャンペーンチームは、詐欺、欺瞞、そして不正に満ちた郵便投票の脆弱性を確固たるものにすべく、調査を開始した。
トランプキャンペーンチームのコミュニケーション対応部門のマット・ウォルキング氏は、「民主党は我々の票を盗もうとしている」とツイートした。
異常事態
ペンシルべニア州選挙管理委員会が廃棄した「トランプ大統領の票」は、法務省の調査を引き起こし、トランプ大統領の注意を大きく引きつけた。
25日、ルザーン郡の広報担当、C.デビッド・ベドリ氏は以下のように述べた。
C.デビッド・ベドリ氏:
「選挙事務所での小分け作業のために雇われた請負業者が、軍および海外有権者の投票用紙を誤ってゴミ箱に入れた」
「ルザーン郡の選挙スタッフは、9月24日に連邦検事のプレスリリースが公開されるまで、捨てられた票にどちらの候補者の名が記されているかは知らなかった」
ベドリ氏によると、臨時に雇われた請負業者は9月14日から選挙事務所で働き始め、”ゴミ箱への投函”は2日後に同事務所のシェルビー・ワティラ局長によって発見されたという。
その後、ワティラ局長はすぐに内部調査を開始し、直属の情報に事案の発生を報告。請負業者を小分け作業から外し、契約は解除された。
内部調査後、ワティラ局長は「問題を調査したルザーン郡法務局に連絡し、当局に報告する必要がある」と助言。地方検事局に情報が伝わった。
ベドリ氏は、請負業者が雇用された期間に選挙事務所から発生した「全てのゴミ」を確保したと述べた。
C.デビッド・ベドリ氏:
「選挙事務所の建物からありとあらゆるゴミが回収され、FBI、ルザーン郡地方検事局、ペンシルベニア州警察、ルザーン郡の関係者による検分が行われた」
「集められたゴミは、FBIがひとつ残らず回収した」
ペンシルベニア州選挙法によると、集められた投票用紙は、選挙当日(11月3日)まで開封することはできず、選挙管理事務所が責任を持って厳重に保管しなければならないという。
ベドリ氏は、「ルザーン郡は関係する有権者に連絡をとり、何らかの手続きを行うものと思われる」と述べた。
ルザーン郡はペンシルべニア州務省と共に、選挙事務所に関わる全てのスタッフに新たな教育トレーニングを行うと発表した。
さらに、全てのスタッフが適切な手順とルールを厳格に遵守していることを監視および確認するために、事務所にセキュリティカメラを設置したという。
24日、FBIのクリストファー・レイ長官は、上院公聴会で今回の不正について何らかの話し合いを行っている。
【関連トピック】
・米国郵政公社が郵送投票の問題点を警告