民主党は主要な州で結果を出せず、上院の支配権奪取の希望を急速に失っている。
共和党53ー47の過半数をひっくり返して上院を支配すれば、次の大統領を妨害するもしくは強く推し進めることが可能になる。
民主党は上院の過半数を奪取できる4議席の獲得を望んでいたが、多くの現職共和党議員が議席を堅持した。
一方、下院の支配は民主党が維持する見込みだが、いくつかの重要な州を取りこぼした。
ただし、多くの票がまだ集計されておらず、最終的な結果はしばらく分からないかもしれない。
メイン州の民主党員、サラ・ギディオン氏は共和党の現職、スーザン・コリンズ上院議員に敗れ、失望が広がった。
しかし、11月4日深夜のニュースは悪いものばかりではなかった。
ニューヨーク州のリッチー・トーレス氏とモンデア・ジョーンズ氏は、黒人同性愛者として初めて議員に選出された。
これまでのところ、民主党は1議席のプラスを確保している。
・上院改選前 共和23:民主12
・上院現時点 共和22:民主13(未確定、予測)
上院議員の任期は6年。2年ごとに議席の3分の1を改選。下院は2年ごとに全ての議席を改選する。
民主党は6年ぶりの上院支配権奪取を目指していた。
勝者と敗者
メイン州の民主党員は穏健派の共和党員、スーザン・コリンズ上院議員の解任を強く望んでいたが、サラ・ギディオン氏は4日午後に敗北を認めた。
元州知事のジョン・ヒッケンルーパー氏は、共和党の現職、コリー・ガードナー上院議員からコロラド州の議席を奪取した。
ヒッケンルーパー氏は2011年から昨年まで2期にわたってコロラド州知事を務めている。
アリゾナ州では、元宇宙飛行士のマーク・ケリー氏が共和党の現職、マーサ・マクサリー上院議員を破った。
しかし、トランプ大統領の友人、ミッチ・マコーネル上院院内総務とリンジー・グラハム上院議員は、それぞれケンタッキー州とサウスカロライナ州で民主党候補を圧倒した。
そしてアラバマ州では、共和党候補のトミー・タベルヴィル氏が民主党の現職、ダグ・ジョーンズ上院議員から議席を奪っている。
下院は?
民主党は232ー197からさらなる上積みを目指していたが、これまでに少なくとも6人の現職を失っている。
オクラホマ州では同州唯一の民主党員、ケンドラ・ホーン上院議員が共和党の挑戦者、ステファニー・バイス氏に議席を奪われた。
しかし、民主党のアヤンナ・プレスリー氏、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏、イルハン・オマル氏、ラシダ・タリーブ氏はいずれも議席を確保。彼女たちは「The Squad(分隊)」と呼ばれている。
デラウェア州の民主党員サラ・マクブライト氏は、同州初の上院議員に選出され、歴史を築いた。
一方、トランプ大統領から「将来の共和党スター候補」と呼ばれたジョージア州のマージョリー・テイラー・グリーン氏は初当選を果たした。グリーン氏は極右の陰謀論「Qアノン(Q Anon)」を推進している。
・下院改選前 共和197:民主232
・上院現時点 共和203:民主226(未確定、予測)
民主党のキャンペーン活動は、コロナウイルスの感染拡大防止政策に力を入れていた。
一方、共和党は経済活動に集中し、コロナ危機と増加し続ける死者には目もくれなかった。