トランプ大統領「封鎖してもパンデミックを止めることはできない」
28日、トランプ大統領はジョー・バイデン氏が「スイッチを入れても」パンデミックを止めることはできないと述べ、州に封鎖措置を思いとどまるよう促した。
この日、激戦州のひとつ、アリゾナでキャンペーン集会を開いたトランプ大統領は、岩盤共和党支持者の声援に応え、マスクの着用義務を嘲笑した。
一方、デラウェア州ウィルミントンで期日前投票を終えたバイデン氏は、トランプ大統領のコロナウイルスを軽視する姿勢について、「犠牲者への侮辱」と非難した。
現在、バイデン氏は支持率争いでトランプ大統領を大きくリードしている。
しかし、結果に大きな影響を与える激戦州の支持率差は拮抗しており、どちらがホワイトハウスと賃貸契約を結ぶかは最後まで分からない。
期日前投票数はパンデミックの影響を受け猛烈な勢いで増加、28日時点で7,500万票を超え、そのうち約5,000万人が郵便で投票を済ませた。
ホワイトハウスコロナウイルス対策チームの最高顧問、アンソニー・ファウチ博士は28日にBBCニュースの取材に応じ、次のように述べた。
アンソニー・ファウチ博士:
「トランプ大統領の政治集会は、コロナウイルスを拡散する要因のひとつになっている」
「参加者はマスクを着用せず、社会的距離のルールも守っていない。非常に危険と言わざるを得ない」
バイデン氏はコロナウイルスとの戦いで「正しいことをする」と誓う
コロナウイルスをめぐる両者の発言は、厳しい感染予防対策の「可」と「否」にくっきり分かれた。
デラウェア州で演説を行ったバイデン氏は、「スイッチを入れることでパンデミックを終わらせることができる、という誤った約束をするつもりはない」と述べた。
ただし、さらなる封鎖の可能性も排除せず、「科学に従い政策を決定する」と強調した。
ジョー・バイデン氏:
「私が勝ったとしても、パンデミックを終わらせるためには多くの努力が必要だ」
「これだけは約束できる。私たちは初日から正しいことをする」
またバイデン氏は、パンデミックの真っただ中にアフォーダブルケア(ACA/オバマケア)を解体しようとするトランプ大統領の試みに反対した。
トランプ大統領「バイデンはアメリカを封鎖するだろう」
アリゾナ州の熱狂的な岩盤共和党支持者に迎えられたトランプ大統領は、バイデン氏が大統領になれば、アメリカは多くの封鎖と壊滅的な経済損失を被るだろうと警告した。
ドナルド・トランプ大統領:
「バイデンが大統領になれば、学校は閉鎖され、卒業式は中止になり、結婚式は無期限延期、感謝祭もクリスマスも独立記念日もなくなるだろう」
「あなたたちは素晴らしい人生を送るだろう。バイデンが当選することはないから大丈夫だ」
トランプ大統領は選挙を「トランプの超回復とバイデンの鬱病」の選択と繰り返し主張した。
アリゾナ州の民主党州知事は集会での社会的距離の確保とマスク着用を命じている。しかし、トランプ大統領はその命令を嘲笑い、マスクレス集会を楽しんだ。
なお、集会中、許可なく空域に入った小型航空機を追い払うために、F-16戦闘機がスクランブル発進した。北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)によると、F-16はパイロットの注意を引くためにフレアを発射、小型航空機を従え空域外に出たという。
一連の空中戦を見守ったトランプ大統領はF-16の轟音について、「この音が大好きだ」と述べた。