ジョー・バイデン次期大統領の移行チームによると、次期政権はコロナウイルスへの取り組みを最優先とした速やかな就任計画を準備しているという。
バイデン氏は9日に新コロナウイルス対策チームのメンバー、12人を指名する予定である。
トランプ大統領は敗北を認めておらず、主要な州で開票作業が続いているため、バイデン氏の勝利はまだ確定していない。しかし、アメリカの主要メディアと世界の指導者たちはバイデン氏の勝利を認めた。
民主党は2021年1月の新政権発足に向け、準備を加速されている。
ABCニュースによると、バイデン氏の計画には議会の承認を必要としない多くの大統領命令が含まれており、以下の課題を覆す予定だという。
・パリ協定への復帰。
・世界保健機関(WHO)からの撤退を却下。
・7か国(リビア、イラン、ソマリア、シリア、イエメン、北朝鮮、ベネズエラ)に出している市民の旅行禁止措置の解除。
・オバマ政権時代の政策でアメリカ滞在を許可された子供たちを保護し、連邦学生援助の資格を保障する。
バイデン氏とカマラ・ハリス上院議員の移行チームは、旧政権との移行情報などを伝えるウェブサイト「buildbackbetter.com」を立ち上げ、経済、人種差別、気候変動への取り組みなどに関する政策や情報を発信すると発表した。
一方、ABCニュースによると、共和党幹部はバイデン氏の勝利にどう反応するか意見が分かれており、結果を公に認めないと主張する議員もいたという。
共和党のケビン・マッカーシー下院少数党院内総務はフォックス・ニュースの取材に対し、「全ての票の再集計と異議申し立てを完了する必要がある」と語った。
ケビン・マッカーシー下院少数党院内総務:
「全ての票を再集計し、法的手続きを終えた時、勝者が確定するだろう」
しかし、ジョージ・W・ブッシュ前大統領はバイデン氏の勝利を祝福し、「選挙の結果は公正であり、国民も明確であると確信している」と述べ、「敗れたトランプ大統領」とチームの奮闘を称えている。
Statement by President George W. Bush: https://t.co/Bsbv8k1nho pic.twitter.com/O7CLtEvxk0
— George W. Bush Presidential Center (@TheBushCenter) November 8, 2020
バイデン政権のコロナウイルス対応
バイデン氏は、トランプ大統領のコロナウイルスに対するアプローチを大きく変化させると誓っている。
バイデン氏は、全てのアメリカ人に無料の検査と「明確で一貫性のあるガイダンス」を提供すると述べており、その対応は元外科総長のヴィヴェック・マーシー氏と食品医療品局(FDA)のデイビット・A・ケスラー前長官が主導する。
また、全国規模のマスク着用義務化を強く望んでおり、勝利演説の中でも自宅以外ではマスクを着用してほしいと呼びかけている。
アメリカの第二波は大統領選挙期間中に加速し、新規陽性者数は3日連続で120,000件を超えた。
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トランプ大統領の計画は?
ロイター通信によると、チームトランプのスポークスマン、ティム・マートー氏は取材の中で、「法廷闘争への支持を得るために、キャンペーン集会を開催する予定だ」と述べたという。
トランプ大統領は主要メディアの開票予測発表以来、公の場で発言していないが、ツイッターで不正を糾弾し、「私が勝利した」と世界に発信した。
また反抗的なトランプ大統領はバイデン氏の勝利について、「誤って勝者を装った。終わりには程遠い」と主張し、法廷闘争に持ち込むと誓約している。
チームトランプが選挙結果にねちねち嫌がらせをした場合、法務チームは州裁判所に異議を申し立てる必要がある。
州裁判官の判決に対し陣営は間違いなく控訴するため、判決は最高裁判所に委ねられる。
チームトランプはアリゾナ州の投票結果に対する訴訟を起こしている。なお、同州の州務長官はこの訴訟について、「ワラにもすがる思いなのだろう」と述べた。
集計は終わっていない
一部の州では集計作業が続いており、全ての票が確認・認証されるまで、選挙結果が公式になることはない。
集計作業は12月8日までに必ず終了させ、12月14日の選挙人投票(538人)を実施しなければならない。(票の取りまとめは2021年1月6日)
しかし、万一、反抗的なトランプ訴訟などで12月8日までに集計作業を終えることができなかった場合、その州の勝利および選挙人は無効になる。
これにより両者が過半数(270人)に達しないときは、連邦議会の決選投票で大統領(下院投票)と副大統領(上院投票)が決まる。
選挙前、民主党は下院の過半数を支配していたが、議員ひとりの票は多数派の州ほど多く、連邦議会選挙前(大統領選挙と同時実施)の結果、勢力図に変化がなければ、トランプ大統領の復活当選、阿鼻叫喚もあり得るだろう。