テレビイベントに出演したトランプ大統領とバイデン氏
10月15日、トランプ大統領と挑戦者のジョー・バイデン氏は、11月3日の決戦に向けたテレビイベントに出席し、重要な質問を打ち負かした。
トランプ大統領は奇妙なオンライン陰謀を否定せず、民主党のバイデン氏は最高裁判所の計画を明かさなかった。
この日、両候補者は自身の記録に対し防御姿勢を維持、様々な質問を軽々と受け流した。
最新の世論調査によると、バイデン氏はコロナウイルスに罹患したトランプ大統領を10ポイント以上リードし、戦いを優位に進めている。
しかし、選挙の結果に大きな影響を与える主要州の支持率差は拮抗しており、どちらに転んでもおかしくない。
当局によると、期日前投票(直接/郵便)を済ませた有権者は、15日時点で1,800万人を超えたという。
有権者からの質問に答えるこの日のテレビイベントは、トランプ・コロナ大統領のせいで中止に追い込まれた第2回大統領討論会の代わりに実施された。
NBC/トランプショーの重要な瞬間
トランプ大統領は、フロリダ州マイアミでNBCニュースが主催のプライムタイムテレビショーに出演した。
その中でトランプ大統領は、話題沸騰中のQAnon陰謀論について尋ねられた。なお共和党支持者たちは、トランプ大統領が悪魔の陰謀と子供の人身売買を含むエリート秘密ネットワーク集団と戦っていると信じている。
司会者のサバンナ・ガスリー氏はトランプ大統領に「彼らを拒否するか?」と尋ねられ、「私はQAnonについて何も知らない」と答えた。
これに対しガスリー氏は、「FBIが潜在的なテロの脅威と認めた集団について、あなたは先日話したばかりでは?」と反論した。
ドナルド・トランプ大統領:
「私はそれについてよく知らない。彼らが小児性愛に非常に反対していることは知っている。彼らはそれを嫌い、非常に激しく戦う」
QAnon陰謀論を受け流したトランプ大統領は、突然、過去数カ月に渡る抗議活動中に混乱を引き起こした一部の極左活動家と暴徒を非難し始めた。
またトランプ大統領は、郵便投票の安全性に懸念を表明したにも関わらず、来月の選挙に敗れた場合、平和的な権力の移譲を受け入れると公の場で初めて述べた。
連邦選挙当局は、過去の大統領選挙、議会選挙、その他地方都市の選挙などを広範囲に調査したが、投票詐欺の証拠は欠片ほども見つからなかったと主張している。
※QAnon・・・FBIが潜在的な国内テロの脅威とラベル付けした極右集団。トランプ大統領は、根拠のないオサマ・ビン・ラーディン陰謀説ツイートをリツイートし、話題をさらった。
「平和的な権力の移譲を受け入れるのか?」と質問されたトランプ大統領は、「受け入れる。しかし、私は正直な選挙であることを望んでいる。他の皆もそうだ」と答えた。
さらに、ヘルスケアと納税申告書および、「いつPCR検査を受け陰性と診断されたのか?」という質問は軽々と受け流した。
その後、トランプ大統領は発言に異議を唱えるガスリー氏との議論に多くの時間を費やした。
なお、ある女性有権者が質問前に、「微笑んだあなたはとてもハンサムだ」と言うと、トランプ大統領は満面の笑みを浮かべた。
ABC/バイデンショーの重要な瞬間
バイデン氏は、ペンシルベニア州フィラデルフィアでABCニュース主催のテレビショーに出演した。
バイデン氏は、「最高裁判所の判決のイデオロギー的バランスに影響を与えかねない裁判官の任命に対抗するコート・パッキング案を支持するか?」と尋ねられた。
※コート・パッキング・・・最高裁判所の判事を増やす案
バイデン氏は最近、この問題について質問を投げかけている。一方、共和党は「司法を改ざんする計画だ」と主張している。
バラク・オバマ前大統領と共に戦ったバイデン氏は次のように述べた。
ジョー・バイデン氏:
「私はコート・パッキングのファンではなかった。私はファンではない」
これに対し司会者のジョージ・ステファノプロス氏は、共和党がトランプ大統領推薦のエイミー・コニー・バレット裁判官の判事就任を決めた場合、「判事の数を増やすつもりはないのか?」と質問した。
バイデン氏は、「その時点から何をすべきかを検討する用意はある」と述べたが、パッキングに対する立場は明確にしなかった。
またバイデン氏は、「アフリカ系アメリカ人の大量投獄につながった1994年の暴力的な犯罪管理および法執行法(クリントン犯罪法案/バイデン犯罪法)起草を支援した役割は間違いだったと思うか?」と尋ねられ、話をそらした。
バイデン氏は「クリントン犯罪法案には、悪いことも良いこともある。また、それ以外にも様々なことが判明した」と回答するにとどめた。
ステファノプロス氏が将来コロナウイルスワクチンの接種を義務化するかと尋ねると、バイデン氏は「それはワクチンの性質やどのように配布されるかに依存する」と大統領候補らしからぬ中途半端な答えを返し、21万人以上のアメリカ国民を殺害したウイルスのワクチン義務化に消極的な姿勢を見せた。
10月22日に予定されている第3回大統領討論会がどのような形式で行われるかは未定である。
【大統領討論会の日程】
・9月29日、オハイオ州クリーブランド
・10月15日、フロリダ州マイアミ(中止)
・10月22日、テネシー州ナッシュビル
【副大統領討論会の日程】
・10月7日、ユタ州ソルトレイクシティ