11月12日

選挙監視グループ「2020年の米大統領選挙は歴史上最も安全な選挙だった」

12日、選挙インフラ政府調整評議会(GCC)やサイバーセキュリティおよびインフラセキュリティエージェンシー(CISA)などが共同声明を発表、「2020年の米大統領選挙は歴史上最も安全だった」と述べた。

選挙監視グループの共同声明
「接戦州を含む全ての州には各投票用紙の記録が残されており、必要に応じて再チェックできる。これは、セキュリティの高さと透明性を証明している」

「必要に応じて再チェックを行うことで、間違いやエラーを特定、修正できる。また、投票システムが票を削除または失った、投票を変更した、何らかの形で侵害されたという証拠はなかった」

トランプ大統領とチームトランプ、一部の共和党議員たちは選挙の安全性にしつこく疑問を投げかけている。

共和党上院議員が新政権への移行をプッシュ

多くの共和党員が新政権への移行を開始すべきだと主張している。

政府の一般調達局(GSA)は集計完了までバイデン氏の勝利を公式に認めず、新政権は政権運営に必要な情報へのアクセスを制限されている。

メイン州のスーザン・コリンズ上院議員を含む多くの共和党員が新政権への移行を開始し、妨害措置はやめるべきだと主張した。

コリンズ上院議員は、「バイデン大統領は今すぐ諜報ブリーフィングを受けるべきだ」と述べた。

スーザン・コリンズ上院議員:
「国家安全保障に関する情報の移行は非常に重要だ。移行作業の中で最も重要といってよい。敗北を認め、今すぐ開始すべきだ」

フランシスコ教皇とバイデン氏

チームバイデンの声明によると、バイデン氏は電話でフランシスコ教皇と話し、「祝福と祝福を広げてくれたことに感謝し、平和、和解、そして人類の共通の絆を促進する教皇のリーダーシップに感謝の意を表した」という。

【バイデン氏と電話会談した指導者(抜粋)】
カナダ:ジャスティン・トルドー首相
イギリス:ボリス・ジョンソン首相
ドイツ:アンゲラ・メルケル首相
日本:菅 義偉総理大臣

2015年9月24日 Getty Images/ワシントンD.C.米国議会議事堂のスピーカーバルコニー、フランシスコ教皇とバイデン氏

ペロシ下院議長「サーカスをやめろ」

12日、民主党のチャック・シューマー上院院内総務とナンシー・ペロシ下院議長が共和党員にメッセージを送った。

チャック・シューマー上院議員:
「選挙は終わった。現実否定をやめ、敗北を認めなさい」

「トランプの哀れなパフォーマンスに付き合う必要はない」

シューマー上院議員は共和党員が「かんしゃくを起こした」と非難し、バイデン氏の勝利に対する異議申し立ては無益なものでしかないと述べた。

ペロシ下院議長は、コロナウイルスの感染爆発に興味を示さずホワイトハウスに引きこもり続けるトランプ大統領を却下し、今すぐ新コロナ救済法案を通過させるべきだと主張した。

ナンシー・ペロシ下院議長:
「サーカス(パフォーマンス)をやめろ」

「市民が今、本当に求めていることをやれ」

一方、上院多数党首のミッチ・マコーネル議員は記者団の前を通過する際、「別の法案を提唱し続ける」と述べ、新コロナ救済法案の上院通過は認めないとあらためて示唆した。
ナンシー・ペロシ下院議長が新コロナ救済法案を却下する共和党上院と財務長官を非難

2020年11月12日 EPA/ワシントンD.C.米国議会議事堂、民主党のナンシーペロシ下院議長とチャックシューマー上院院内総務

2020年の投票率、1900年以降で最高

米国選挙プロジェクトによると、2020年大統領選挙の総投票数は152,764,399票、投票率は63.9%。1960年に記録した63.8%を上回り、1900年以降で最高となった。

バイデン:77,635,757(51%)
トランプ:72,382,585(47%)

バイデン氏のリードは520万超。

専門家は総投票数を約1億5800万票と予想している。

ホワイトハウス報道官、新政権への権限移行に関する質問を受け流す

ホワイトハウスのケイリー・マケナニー報道官はフォックスニュースのインタビューの中で、「新政権への移行を認め、バイデン氏に権限を与えるか?」と質問され、次のように答えた。

ケイリー・マケナニー報道官:
「私たちはトランプ政権の継続を期待している。そして、私たちは訴訟がどうなるかを見守るだろう」

政府の一般調達局(GSA)は集計作業が終わっていないため、バイデン氏の勝利を公式に認めておらず、GSAが勝利を認めない限り新政権は政府の資金などの情報にアクセスできない。

2020年11月9日 Getty Images/ワシントンD.C.で開催された共和党全国委員会本部での記者会見、ケイリー・マケナニー報道官

引きこもるトランプ大統領

負けず嫌いのトランプ大統領は敗北を認めず、チームトランプも反抗的な訴訟攻撃を続けている。

情報筋によると、メディアを避け続けるトランプ大統領は、マイク・ポンペオ国務長官、スティーブン・ムニューシン財務長官などとホワイトハウスの密室で打ち合わせを行っているという。

また、補佐官のジェレッド・クシュナー氏、ジェイソン・ミラー氏、チームトランプのマネジャー、ビル・ステッペン上級顧問などとも会合を開き、選挙後の進路について話し合ったとのこと。

一方、バイデン氏とハリス上院議員は新政権の準備、各国首脳との電話会談などを行い、トランプ大統領の退任日に備えている。

バイデン政権、大統領首席補佐官はロン・クレイン氏

ABCニュースによると、バイデン新大統領はロン・クレイン氏を首席補佐官に任命したという。

大統領を支える参謀長の発表は、大統領選挙後の大きな決定のひとつである。

クレイン氏は、オバマ政権時代にエボラ出血熱に関するチームを主導したバイデン氏の元参謀長。コロナウイルスへの対応を主導できる主要候補のひとりと見なされていた。

クレイン氏は大統領首席補佐官任命について、次のように述べた。

ロン・クレイン氏:
「この役割でバイデン大統領に仕えることは一生の名誉」

「私は大統領とハリス副大統領によるホワイトハウスのチーム編成に参加できることを楽しみにしている。私たちは野心的な変化と課題に取り組み、国の格差を癒すことに努める」

クレイン氏は2016年にヒラリー・クリントン氏の大統領選挙チームで上級顧問を務めた。

バイデン氏はクレイン氏について、「彼の深く多様な経験と能力は、この危機に立ち向かい国をまとめるために必要なものだ」と述べた。

2014年11月13日 Getty Images/ワシントンD.C.アイゼンハワー行政府ビルでのエボラ出血熱に関する会議、バイデン氏とクレイン氏

11月11日

復員軍人の日、トランプ大統領が久しぶりに姿を現す

バージニア州アーリントン国立公園にある墓地を訪ねたトランプ大統領は、名もなき兵士たちに花を手向けた。また大統領は、復員軍人の日を記念し布告を出した。

バイデン氏はフィラデルフィア朝鮮戦争記念館で演説を行い、市民に奉仕した軍人とその家族に感謝した。

2020年11月11日 ロイター通信/バージニア州アーリントン、アーリントン国立墓地で行われた復員軍人の日の儀式に出席したトランプ大統領

共和党上院は少なくとも50議席を獲得

ABCニュースは11日午後のニュースで、アラスカ州議会選挙の勝者を共和党と予測した。

また大統領選挙でもトランプ大統領が勝つと予測し、選挙人を214から217票に引き上げた。

アラスカ州上院通常(開票率75%)
・共和党 ダン・サリバン 57.5%
・民主党 アル・グロス 37.5%

ダン・サリバン上院議員の勝利により、共和党上院の議席数は50になった。(上院議席:100)

ジョージア州の2議席(通常と補欠)は、来年1月の決選投票で決まる予定。
米大統領選2020/ジョージア州の上院選挙は決選投票の可能性大

ジョージア州上院通常(開票率99%、決戦投票へ)
・共和党 デイビッド・パデュー 49.7%
・民主党 ジョン・オソフ 48%
・リバタ シェーンヘーゼル 2.3%

ジョージア州上院補欠(開票率98%、決戦投票へ)
・共和党 ケリー・レフラー 25.9%
・民主党 ラファエル・ワーノック 32.9%

バイデン氏とハリス氏、共和党のオバマケア廃止努力を非難

バイデン氏とハリス上院議員は、アフォーダブル法(ACA/オバマケア)廃止を目指すトランプ政権の努力を非難した。

ACAの廃止は、最高裁判所で審理されている。

バイデン氏は、コロナウイルスの感染が拡大している中で割安な保険を廃止したがるトランプ大統領にかみついた。

ジョー・バイデン氏:
「この事件は、極右のイデオロギーが行ってきた最もひどい試みのひとつである。彼らは手ごろな価格のケア法を排除したいと考え、失敗し続けてきた」

医療は党派の問題ではなく、生死の問題である。市民の心を破壊してはならない」

ハリス上院議員は、ACAの損失が女性と有色人種に与える悪影響を強調した。

カマラ・カリス上院議員:
{一部の女性とマイノリティが大打撃を受ける。黒人、アジア人、ヒスパニック、ネイティブアメリカンから手ごろな価格の保険を奪えば、彼らは致命的なリスクに直面するだろう」

2020年10月10日 ロイター通信/デラウェア州ウィルミントン、演説するバイデン氏

ミッチ・マコーネル上院院内総務「大統領は選挙人が決める」

11日午後、共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務は記者団に対し、「選挙人団が会合するまで大統領は決まらないだろう」と述べた。

ミッチ・マコーネル上院院内総務:
「選挙人団は裁判所で実施されている案件に注意を向けている」

「心配する必要はない。候補から認定を受けた人が12月14日の投票で勝者を決める。その人は1月20日に宣戦する。何も心配しなくていい」

デラウェア州ウィルミントンでスピーチしたバイデン氏はマコーネル上院院内総務の見解について尋ねられると、「トランプの圧力に直面している数人の共和党員の立場を反映している」と述べた。

ジョー・バイデン氏:
「共和党全体がいくつかの例外を除いて、現職の大統領に脅迫される立場に置かれている。しかし、次の大統領はひとりしかいない」

「私たちは選挙人団を設立する。彼らは12月に判断を下し、結果は1月6日に発表されるだろう。私はそれまでの間に、ミッチと話す機会を得るつもりだ」

今後の予定
・12月8日:集計締め切り
・12月14日:選挙人投票(538人)
・12月23日:連邦議会に結果を通知
・1月6日:票集計、勝利宣言
・1月20日正午:就任式

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