ドナルド・トランプ大統領は2021年1月20日までホワイトハウスに居座り、後継者のジョー・バイデン新大統領に仕事を引き継いだ後、大統領専属クラブに加わる。
引退したトランプ氏は静かな隠居生活を送りますか。
退任
トランプ氏は大統領年金などの特典を獲得する。
アメリカ合衆国大統領は1958年に制定された大統領法に基づき、退任後、年間207,800ドル(2,200万円)の年金を保障される。
また、シークレットサービスの保護、健康保険、事務所とスタッフの費用も免除の対象となる。
現在74歳のトランプ氏は、穏やか隠居生活を送ることができるだろう。
フロリダの隠れ家で毎日ゴルフを楽しめば、時間はいくらでも潰せるはず。
しかし、ノースウェスタン大学のマーケティング教授を務めるティム・カルキンス氏は、「脚光を浴び続けてきた男性が隠居生活を送る可能性は極めて低い」と述べた。
ティム・カルキンス氏:
「ドナルド・トランプが衰退する可能性は低く、私たちはこれからも彼の顔を見続けると思う」
2024年
野心的なトランプ氏は、2024年を見据えているかもしれない。
第22代スティーブン・グロバー・クリーブランド大統領は1889年に退任し、4年後に再選を果たした。
合衆国憲法は「大統領職に2回以上選出されてはならない」と規定しており、期間を置いての再選は許可されている。
トランプ氏の元首席補佐官代行、ミック・マルバニー氏は、「私は彼を2024年の候補リストに加えるだろう」と述べた。
目立ちたがりのトランプ氏は今回の選挙で約7,150万票を獲得している。敗北したとはいえ、この人気と支持基盤は共和党の大きな武器になるだろう。
一方、トランプ氏の長男、ジュニア氏が大統領選挙への立候補に興味を持っているという噂も流れており、夢の親子タッグが実現すれば、岩盤共和党支持者は大喜びこと間違いなしである。
不動産王トランプ
トランプ氏はアメリカを代表する不動産王兼リアリティテレビスターだった。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、トランプ氏は今後数年間で4億ドル以上の融資を受ける予定だという。なお、その規模の融資は、トランプ氏の純資産のごく一部に過ぎない。
トランプ・オーガナイゼーションは、数多くのホテルやゴルフコースを保有している。
ムンバイ、イスタンブール、フィリピン、ワシントンD.C.などにはトランプブランドの施設。アメリカ、イギリス、ドバイ、インドネシアなどにも立派なゴルフコースを持っており、それらを活用して様々なビジネスを展開できるだろう。
しかし、トランプ氏の資産は、コロナウイルスの影響を大きく受けたレジャー業界関連のものばかりである。
フォーブス紙は、トランプ氏の資産はコロナの影響で10億ドル近く減少した可能性があると指摘した。
なお、トランプ氏は「過去15年間のうち10年間所得税を全く支払っていなかった」と指摘されている。しかしトランプ氏はこの報道を却下、うやむやにしたまま退任する可能性が高い。
メディア王トランプ
トランプ氏の知名度はリアリティ番組、アプレンティスで爆発。世界にその名を知らしめた。
目立ちたがりのトランプ氏は自分で保守的なチャンネルを立ち上げるか、保守的なネットワークと協力することで、メディア業界に参入すると噂されている。
Qスコアカンパニーのヘンリー・シェーファー上級副社長はこの噂について、「彼には間違いなく潜在的な聴衆がいる」と述べた。
ヘンリー・シェーファー上級副社長:
「トランプ氏はお騒がせセレブのキム・カーダシアン・ウェストや、世界最低の毒舌ラジオDJ、ハワード・スターンのようなブランドを構築できるだろう」
「トランプ氏は論争で反映し、とてつもない利益を上げてきた。聴衆は彼の論争を期待している」
退任したトランプ氏を獲得したいと考えるメディアは、ケーブルネットワークのワン・アメリカ・ニュース(OANN)やニュースマックスあたりと思われる。
OANNはトランプ氏と相思相愛。大統領選挙の際には、「トランプ大統領の勝利」と根拠なしに報道し、一部の関係者を震え上がらせた。
保守的なニュースマックスのクリストファー・ラディCEOは、ワシントン・ポスト紙に「トランプ・ウィスパラー」と名付けられている。
またトランプ氏は、回顧録もしくは暴露本の取引にも署名している。なお、バラク・オバマ前大統領とミシェル夫人は6,500万ドル相当の記録的な共同取引を獲得したが、この金額は稀である。
トランプ氏が静かな隠居生活を送る可能性は極めて低い。