◎共産党のゼロコロナ政策は多くの命を救ってきたが、経済を犠牲にし、中国だけでなく世界経済にも大きな影響を与えている。
中国の国営メディアは24日、厳しい封鎖制限を課しているにもかかわらず、コロナウイルスの新規陽性が過去最多を更新したと発表した。
首都北京や広州市などの大都市でクラスターが報告されている。
当局によると、23日の新規陽性は3万1527人。4月の感染拡大時の記録を上回った。
中国の新規陽性は西側の主要国に比べるとはるかに少ない。公式の累計死者数は5300人ほどである。米国の累計死者数は約110万人。インドは50万人。日本は5万人だ。
共産党のゼロコロナ政策は多くの命を救ってきたが、経済を犠牲にし、中国だけでなく世界経済にも大きな影響を与えている。
当局は数週間前に規制の一部を緩和した。また二次感染者(濃厚接触者と接触した人)の記録を停止し、医療関係者の負担を低減させた。
アジアの金融ハブである上海市は少しずつだが日常を取り戻しつつあるように見える。
しかし、北京で再び患者が急増し、数ヶ月ぶりに死者が出たため、当局はいくつかの地区を封鎖した。
人口約1000万人の鄭州市も25日から事実上の封鎖下に置かれることが決まった。
鄭州市にある中国最大のアイフォン組み立て工場で発生した場外乱闘は世界に衝撃を与えた。アップル社のサプライヤーのひとつであるフォックスコン・テクノロジー(鴻準精密工業股分有限公司)は決済システムに問題が生じたとして謝罪している。
中国版ツイッターのWeiboには支援を求める投稿が多数寄せられている。ユーザーたちは悲しみ、苦しみ、絶望、怒りを表明している。
鄭州市の幼児がコロナ封鎖の影響で適切な医療を受けられずに死亡した事件は大きな反響を呼んだ。
多くの市民がゼロコロナ政策の見直しを求めているように見える。
人口1300万人の観光都市・西安市では今年1月、一部の住民が深夜に強制退去を命じられ、バスで検疫施設に送られ、一部の住民が医療処置を受けられず体調を崩した。
上海の住民約2500万人は2カ月ほど自宅待機を余儀なくされた。
成都市では9月、地震よりコロナ対策が優先され、多くの住民がマンションにとどまり、消防はPCR検査を行いながら市民を救助した。
中国中央テレビ(CCTV)によると、31省で新規陽性が確認され、その多くで封鎖措置が導入されているという。
CCTVは専門家の話を引用し、「高齢者のワクチン接種を加速させる必要がある」と報じている。それによると、80歳以上の半数がワクチンを一度も接種していないという。
歴史的な3期目をスタートさせた習近平(Xi Jinping)国家主席も高齢者のワクチン接種がうまく進んでいないことに懸念を示し、「高齢者を守るためには厳しい規制が必要」と指摘している。
あるWeiboユーザーはこう投稿している。「もういいんじゃないか...」