◎アフリカ大陸の指導者たちは国連総会の演説でコロナワクチンの不平等を解消するよう世界に呼びかけた。
2021年9月23日/ニューヨークの国連本部、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領はオンラインで演説した(Getty Images/AFP通信)

9月23日、アフリカ大陸の指導者たちは国連総会の演説でコロナワクチンの不平等を解消するよう世界に呼びかけた。

チャドのマハマト・イドリス・デビー・イトノ大統領は、「コロナは大陸、国境、国籍、社会的地位に影響されない」と述べた。「ワクチンの接種が進んでいない国や地域は、より強力な変異種の誕生を促すでしょう。私たちはすべての人にワクチンを展開するという国連事務総長とWHO事務局長の訴えを歓迎します...」

21日と22日に演説した指導者の主要議題もコロナウイルスだった。そして、演説の多くが感染拡大を考慮しオンラインで配信された。指導者たちはワクチン展開に大きな格差が出ていることを認め、問題を解決するためには世界が一丸となって協力しなければならないと呼びかけた。

ナミビアのヘイジ・ガインゴブ大統領はワクチン格差を「ワクチンアパルトヘイト」と呼び、主要先進国で進められているブースターショットを非難した。

南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は、ワクチンを「人類が持つ最大の防御」と呼び、世界の連帯と協力を維持しなければならないと呼びかけた。「世界のワクチン接種量の82%以上が裕福な国に集中しています。低所得国の接種量は全体の1%未満です...」

アンゴラのジョアン・ロウレンソ大統領は、「ワクチン格差を見せつけれていることに衝撃を覚える」と述べた。「先進国の一部は3回目の接種を開始もしくは準備しています。しかし、アフリカを含む貧しい国の国民の大多数は1回目すら終えていません...」

アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イスラエルを含む先進国はブースター接種の開始もしくは準備計画を発表している。

ジョー・バイデン大統領は国連総会に合わせて22日に開催されたコロナサミットの中で世界と共有するファイザーワクチンを10億回に増やすと述べ、来年中に各国のワクチン接種率を70%まで引き上げると発表した。

しかし、WHOによると、今年のG7サミットで約束されたワクチンの寄付を含む先進国が約束した寄付の実績は予定数量の20%に満たないという。

バイデン政権は今年初め、ワクチンの知的財産権を放棄するという欧州諸国の提案に反対した。

一部の非政府組織(NGO)は、知的財産権の解除がワクチンの世界的な大増産につながると主張した。しかし、米国当局は、知的財産権が進行中のワクチン格差を助長しているという主張を却下した。

各国のワクチン展開をまとめているour world in dataによると、9月23日時点で世界の人口の約44%が少なくとも1回ワクチン接種を受けたという。しかし、低所得国で1回接種した人は約2%にとどまっている。

一方、米食品医薬品局(FDA)は22日、65歳以上の高齢者と、基礎疾患などを持つリスクの高いグループおよび、コロナウイルスの感染リスクにさらされている最前線で働く労働者へのファイザーワクチンのブースターショットを承認した。

疾病予防管理センター(CDC)の諮問委員会は23日中にFDAの計画案を承認すると期待されている。

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