◎平均症例数が10万件を超えたのは昨年11月以来約9か月ぶり。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの直近7日間のコロナウイルス平均症例数は10万件を超えたという。平均死亡者数は7月初旬に200人を下回ったが、その後上昇に転じ、直近7日間は約500人だった。
疾病予防管理センター(CDC)は、デルタ株は今年1月に経験したパンデミック以上の混乱を引き起こす可能性があると警告し、国民にワクチンを接種するよう促している。接種を終えた人の割合は総人口の約50%、成人人口の70%以上。
CDCのロシェル・ワレンスキー所長は今週放送されたCNNニュースのインタビューの中で、「ワクチン接種が進まなければ、1月初旬の急増を再び経験する可能性が高い」と述べた。「症例数は1日最大数十万件に達する可能性があります...」
アメリカの平均症例数が10万件を超えたのは昨年11月以来約9か月ぶり、1月のピーク時には25万件近くに達した。その後、症例数はゆっくり減少し、6月中頃には12,000件を下回ったが、デルタ株が全国に広がったことで再び上昇に転じた。
入院患者と死亡者も増加しているが、1月のピーク時に比べるとはるかに低い。CDCによると、8月6日時点の全米の入院患者数は約44,000人、前週から約30%増加し、6月中頃の約4倍になったという。1月初旬の入院患者数は12万人を超えていた。
平均死亡者数は7月初旬の200人以下から500人まで増加した。1月のピーク時には毎日約3,500人が死亡していた。
ワクチン接種率の低い南部の感染状況は特に深刻で、小規模な病院は患者の波に圧倒されている。
CDCによると、南東部州(フロリダ、ジョージア、アラバマ、ミシシッピ、ノースカロライナ、サウスカロライナ、テネシー、ケンタッキー)の平均症例数は17,000件を超え、前週から50%以上増加したという。これらの州の直近7日間の新規入院患者は全米の41%を占めている。
アラバマ州とミシシッピ州のワクチン接種率は国内で最も低く、接種を終えた住民は35%未満。ジョージア州とテネシー州も低く、ジョー・バイデン大統領の悩みの種になっている。
人口の多いフロリダ州(約2,100万人)の新規症例と入院患者は全米の20%以上を占めている。ワクチン接種率は地域によって異なるが、症例の多い地域はおおむね40%未満。共和党のロン・デサンティス州知事はワクチン接種を推奨しているが、CDCのマスク着用ガイドラインには従わないと主張している。
デサンティス州知事は来年の再選と2024年の大統領選出馬を目論んでおり、先週バイデン大統領と舌戦を繰り広げた。デサンティス州知事はマスク着用ガイドラインを否定し、「バイデン大統領は国民から自由を奪おうとしている」と非難した。
医療体制のひっ迫している一部地域の医療当局は患者の搬送に苦労している。テキサス州ヒューストンの医療専門家であるデビッド・パース博士はAP通信に、「医療体制は限界に近付いている」と警告した。
ミズーリ州の医療当局は6日、近くの病院が患者を受け入れられない場合に備えて救急車30台と新規要員60人を配置し、必要に応じて患者を他の州や地域に搬送すると発表した。