◎医療保険に対する財政支援打ち切りにより、数百万人が公的医療保険「メディケイド」から除外される見通しだ。
2023年1月30日/米ワシントンD.C.ホワイトハウスの芝生広場、取材に応じるバイデン大統領(Susan Walsh/AP通信)

ホワイトハウスは30日、コロナウイルスの感染拡大に合わせて3年前に発出した国家非常事態宣言と公衆衛生上の非常事態宣言を5月11日に解除すると連邦議会に通知した。

非常事態宣言はトランプ政権が2020年1月に出した。これを解除すると、コロナ関連の財政支援も打ち切られることになる。

現在の国家非常事態宣言は2月、公衆衛生上の非常事態宣言は4月で期限切れとなるため、ホワイトハウスは両方の期間を5月11日まで延長し、同日解除する予定だ。

下院共和党は国家非常事態を3月1日、公衆衛生上の非常事態宣言を4月11日に解除する法案を準備している。

一部の専門家は宣言解除について、医療保険の恩恵を受ける低所得者層に大きな影響を与える可能性があると指摘している。

医療保険に対する財政支援打ち切りにより、数百万人が公的医療保険「メディケイド」から除外される見通しだ。

カイザー・ファミリー財団(KFF)が約20州で行った調査によると、メディケイド受給者の13%が宣言解除で対処除外になる可能性があるという。

共和党が主導する州の知事は先月、バイデン(Joe Biden)大統領に公衆衛生上の非常事態宣言を解除するよう要請した。メディケイドの加入者数は2020年以来、約2000万人増加した。

医療保険に加入していない人は公衆衛生上の非常事態宣言のおかげでPCR検査、ワクチン、治療を無料で受けることができた。

民間保険に加入している人も公衆衛生上の非常事態宣言のおかげで医療費を抑えることができた。

KFFによると、コロナワクチンの接種費用は宣言解除後も2020年に成立した新型コロナ支援・救済・経済保障法(CARES法)でカバーされるが、民間保険に加入している人は指定医療機関以外でワクチンを接種した場合、個人で費用を支払う必要がある。

行政管理予算局(OMB)は連邦議会に宛てた書簡の中で、「政府は緊急事態宣言を5月11日まで延長し、その日をもって両緊急事態を終了させる」と述べている。

またOMBは「この通知は遅くとも60日前までに宣言解除を通知するという政府の公約に基づいている」とした。

トランプ前大統領(Getty Images)
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