◎米国務省は24日、日本に対する渡航警戒レベルを4段階のうち最も厳しい「渡航中止・退避勧告」に引き上げると発表した
5月24日、米国務省は東京2020五輪の開幕に向けて急ピッチで準備を進めている日本に対する渡航警戒レベルを4段階のうち最も厳しい「渡航中止・退避勧告」に引き上げると発表した。
警戒アラートに強制力はないが、オリンピックに参加するかどうかを決定する要因になる可能性がある。ホワイトハウスは今回の引き上げが約2カ月後に開幕する東京2020の参加に影響を与えるかどうかについては言及していない。
疾病予防管理センター(CDC)は24日の声明で、「日本への旅行は避けるべきです」と述べた。「日本の現在の感染状況では、ワクチン接種を完全に終えた旅行者でも変異種に感染する可能性があるかもしれません...」
一方、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は同日、「アメリカのアスリートは安全に競技に参加できると予想している」と述べた。「USOPCと東京2020組織委員会は、アスリートとスタッフに対して予定している現在の感染予防対策と、旅行前、日本到着時、および大会期間中の検査は上手く機能すると確信しています...」
アメリカが警戒アラートを最高レベルの4に引き上げている国は5月24日時点で151ヵ国に達し、比較的順調にコロナワクチンを展開しているEU各国に対してもレベル4を維持している。
日本は現在、一部のビジネス関係者の入国は許可しているが、観光客の受け入れは禁止している。
菅義偉首相と与党自民党の閣僚は東京2020の開催を決意しており、7月末までに高齢者約3,600万人へのワクチン接種を完了させるという野心的な目標の達成に向け突き進んでいる。
NHKが行った最新の世論調査(回答者1,249人)によると、回答者の半数以上は東京2020の中止もしくは再延期を支持したという。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)は先日、非常事態宣言下でも大会を行うと誓約した。
日本のコロナワクチン接種はG7の中でも群を抜いて順調に進んでおらず、少なくとも1回接種した人の割合は人口の約5%にとどまっている。
<ワクチン接種数/少なくとも1回接種した人の割合/5月25時点>
アメリカ:2億8,600万回/49%
イギリス:6,100万回/56%
ドイツ:4,400万回/40%
イタリア:3,100万回/35%
フランス:3,300万回/34%
カナダ:2,100万回/51%
日本:900万回/5%
中国:5億1,100万回/24%
インド:1億9,200万回/11%
イスラエル:1,100万回/63%
世界:16億7,000万回/10%
アジア:8億7,100万回/5%
北米:3億4,300万回/35%
ヨーロッパ:3億2,200万回/29%
EU:2億2,000万回/35%
南米:1億400万回/16%
アフリカ大陸:2,800万回/2%
加藤 勝信官房長官は25日、アメリカの警戒レベル引き上げが東京2020に影響を与えるとは予想していないと述べた。「東京2020五輪・パラ五輪の開催を実現するという政府の決意を支持するアメリカの立場に変化はないと考えています...」
外国のファンは東京2020をオンラインで観戦することがすでに決まっている。組織委員会はコロナの感染状況がさらに悪化した場合は無観客で実施する可能性も除外していないと述べたが、結論は開幕直前に先送りされた。
ある医療専門家はソーシャルメディアで、「コロナワクチンの接種を爆発的に加速させなければならない」と主張した。「政府は国民の生活に必要不可欠な業務以外は全て停止し、コロナワクチンの接種に資本を投入してください。憲法改正や選挙はコロナが終息するまで忘れてください」
「野党の力も借りてください。利用可能な資本は全てコロナワクチンの接種に投入してください。東京2020の開幕までに少なくとも1回ワクチンを接種した人の割合をイギリスレベルまで引き上げることができれば、懸念は払拭されると思います...」
東京五輪は7月23日、パラ五輪は8月24日に開幕する。