◎米国内におけるスペイン風邪の死亡者数は約67.5万人と推定されている。なお、当時の人口は現在の約3分の1ほどだった。
米主要メディアによると、アメリカのコロナウイルス累計死亡者数は1918年から1919年に大流行したスペイン風邪の死亡者数と同水準に達したという。
米国内におけるスペイン風邪の死亡者数は約67.5万人と推定されている。なお、当時の人口は現在の約3分の1ほどだった。
ミシガン大学の病歴学者ハワード・マーケル博士は、「1世紀前の教訓はワクチン開発や医療の発展に大いに活かされたが、現在の指導者たちは驚異的な進歩を遂げた科学をうまく活用できなかった」と述べた。
エモリー大学の生物学者ルストム・アンティア博士は、「コロナが風邪のようになることを願っているが、そうなるという保証はない」と述べ、進行中のパンデミックはしばらく続く可能性があると示唆した。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの直近7日間の死亡者数は1日あたり1,900人を超え、今年3月以来の水準に逆戻りしたという。政府の公式累計死亡者数は20日に67.5万人を超えたが、専門家は実数はもっと多いと信じている。
疾病予防管理センター(CDC)は今冬のさらなる感染拡大に警鐘を鳴らしている。ワシントン大学のモデルによると、今冬の死亡者数は10万人に達し、来年1月1日時点の累計死亡者数は80万人近くに達する可能性があるという。
スペイン風邪が大流行した時、世界の人口は現在の約4分の1だったが、1年ほどで5,000万人が死亡したと推定されている。コロナの世界累計死亡者数は460万人を超えた。
一部の専門家は、ワクチンの展開とウイルスの変異が徐々に弱まることで感染拡大は収まる可能性があると予測している。「子供たちはコロナに感染することで抗体を獲得し、さらにワクチン効果でコロナを風邪と同じように処理できる日が来る」と主張する専門家もいる。
エモリー大学のアンティア博士は、「私たちはひとり残らずコロナに感染する」と予測した。「症状を抑えることが大切です。感染者の99%が無症状であれば、コロナは風邪になるかもしれません...」
1918年の大流行を引き起こしたH1N1インフルエンザウイルスは人間の免疫力に敗れた。免疫力のある人が増えると、ウイルスの変異する機会は減少し、弱体化する。H1N1は今でも流行しているが、死亡者数はワクチンのおかげで抑えられている。
Our World in Dataによると、世界の人口の約43%が少なくとも1回コロナワクチンを接種したという。しかし、アフリカ大陸を含む開発途上国の接種は始まったばかりである。アフリカ大陸で少なくとも1回接種した人はようやく6%に到達した。
インフルエンザに関する著書で有名な米国立衛生研究所のジェレミー・ブラウン博士は、「コロナは貧しい人々を殺し、変異し、新たなパンデミックを引き起こすかもしれない」と述べた。
現在世界で流通している主要なワクチンは、デルタ株を含む変異種に効果的に作用することが研究で明らかになっている。
エモリー大学のアンティア博士は、ウイルスは絶えず変化するものであり、現在供給されているワクチンの抗体を回避する新たな変異や、まだワクチンを接種できない子供の命に係わる変異が起きていないかを常に確認することが重要だと指摘した。
ファイザー社の幹部は15日、AP通信の取材に対し、「コロナウイルスがさらなる変異を遂げた場合、ファイザーとモデルナワクチンの技術を使った新しいワクチンを生産する可能性がある」と述べた。同社は現在供給しているワクチンを毎年接種することで免疫力を高く保てるかどうかを研究している。